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「なんか、勘違いしてない？」
何が？
勘違いなんてしてない。
「星川さんのこと嫌いなんて言ってないじゃん。むしろ……」
それは、赤葦君が優しいからでしょ。
例え嫌いって思ってなかったとしても、関係ない。
だってこの病気の治療法は――。
「好きだよ」
「……え？」
思わず口から零れ落ちた言葉。
仕方ないと思う。
手の届かないと思ってた彼が、好きって言ったんだよ？
「俺、知ってた。星川さんが星の涙を流すこと」
え……。
いつ見たの？
どこで？
それだけが頭の中を埋め尽くしていて。
「前、放課後泣いてたでしょ。教室で」
嘘、あれ見てたの……？
赤葦君が部活行ってる時にしたのに。
「ごめんね、やってることは盗み見って分かってたんだけど……」
つい、ね？と苦笑いでこっちを見る彼。
そんな姿も様になってて。
「その時さ、不謹慎かもしれないけど『綺麗』ってこういうことを言うんだなって思った」
これが綺麗……？
そんな私の心情を分かってか、言葉を付け足す赤葦君。
「綺麗だよ。星川さんの症状、ネットで調べてみたんだけどね？」
「え、調べたの……？」
「うん。で、その症状になる理由ってさ……」
あぁ、恥ずかしい。
それ以上は言ってほしくないって気持ちと、調べてくれたっていう嬉しさがある。
はは、矛盾してる。
「“片思いをすると”でしょ？……治療法は、両想いになること」
恥ずかしさで顔が真っ赤になる。
それを見て愛おしそうに笑う赤葦君。
恥ずかしいのに、笑った顔を見て得した気分になる。
「だからほら、もう治ってるよ？」
ニッコリ笑って頬に伝ってる“液体”を親指で拭う彼。
「あ……。ホントだ……」
すっかり普通の涙に戻ってる。
でも、足元には無数の色とりどりの星が転がっていて。
これが私があの病気だった証拠だ。
しゃがんで、星を拾い集める。
「ふふ、思い出集め？」
俺も拾う、と言って一緒に拾ってくれる。
拾ってる間に、いろんな話をした。
私が赤葦君に惚れた時の話だったり、赤葦君が盗み見した時の話だったり。
あれを聞かれてたと思うと、もう恥ずかし過ぎて……。
集め終わって、袋に詰め込む。
あ、そうだ。と思い出したように手をこちらに差し出す赤葦君。
「改めて。俺と、付き合ってくれる？」
「……お願いします！」
笑顔で手を置く私。
それから、手を繋いだまま学校に行った。
ありがとう、赤葦君。
終。
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桜雨-sagume-(プロフ) - 花っち�擦気�» あっ、あっ、ありがとうございます！！更新はノロマですけど頑張りますっ！！！ (2020年2月13日 9時) (
レス) id: b20b2dae4d (このIDを非表示/違反報告)
花っち�� - 奇病系初めて読んだんですが…面白いですね、せつないお話大好きです。ありがとうございます。 (2020年2月6日 18時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雨さん | 作成日時：2018年11月27日 0時
