Wind Blowing in Joetsu. 8【新幹線変形ロボシンカリオン】 (ページ8)

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血縁ページ8

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───新幹線超進化研究所・東海指令室・名古屋支部

まだ営業時間外であるリニア・鉄道館に到着したシオリとマフユは、関係者のみが入れる職員通用口から内部を通って、遥か地下深くに存在する名古屋支部へ向かった。

『失礼しま……す』
「失礼します。あ、ミハルお兄ちゃんだ。おはよう～！」
「ん、おはよう。ところで姉さんはなんで言葉を詰まらせたのかな？」
『おはよう。……いや、特に意味は無いけど』
「え、そうなの？」

名古屋支部に着いた二人が真っ先に足を運んだのは指令長室。中に入れば羽島の他にもミハルが居たので、シオリは少し驚いていたようである。
指令長室の中央にあるテーブルを挟んで、椅子に座って羽島と打ち合わせをしていたミハルはハッとして手に持っていたプリントと姉妹を見比べると、これは内緒と言う様にプリントをそっとテーブルに伏せて置いた。

「よく来たね二人とも。朝早くから長旅お疲れ様」
『羽島指令長、ご無沙汰しております。あ、これはお土産ですのでみなさんで食べてください。大宮土産と焼いてきたパウンドケーキです』

ミハルに向いていた意識を羽島に戻して一礼をする。お土産を渡し、ミハルも食べていいよと言うとミハルは嬉しそうに笑った。

「ありがたく頂くよ。……にしても、また凄い量だな……職員分よりあるんじゃないか？」
『パウンドケーキは材料を混ぜて焼くだけなので大量に作っちゃいまして……。さっき新幹線の中でハヤト達に渡したんですがそれでも結構な量が……なので三分の一くらいはタツミ用です』
「そ、そうか……」

前回名古屋に来た時に出会ったリュウジの弟、タツミは非常に食欲旺盛だという事を覚えていた。彼はシンカリオン運転士ではないが、運転士であるリュウジの血縁という事で時々研究所に出入りをしているらしい。

今日は居るのかどうか分からないが、居たら居たで結構な量を渡すつもりで、逆に居なくてもリュウジに渡すつもりである。後者に関して言えば彼女もまた人使いが荒い。同じ血が流れる故か、姉弟似るものだ。

すると、指令長室の外から元気のいい少年の声が聞こえてきた。