Wind Blowing in Joetsu. 8【新幹線変形ロボシンカリオン】 (ページ49)

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人を運ぶ新幹線。日本の平和を守るシンカリオン。ハヤトは走る新幹線を見つめる目をすっと細めて、柔らかい笑みを浮かべた。

「……俺も今日は撮り鉄になってみようかな」
『お、いいね』
「よっし！じゃあ俺もだ！」

新幹線自体には普段からあまり興味の無いハヤト以外も、常日頃からシンカリオンの運転士として新幹線と関わっている。偶にはそんな相棒達のベースとなった姿を撮るのも良いのではないか───ハヤトのふとした"今日は撮り鉄になってみようかな"という呟きに、賛同の声が立ち上る。

「ふふん……みんな私の真似しちゃって……！やっぱり私がチームシンカリオンを引っ張ってるんじゃな、い……」
「超進化研究所でカメラ貸してもらうか」
「んだな」
『マフユはアズサと一緒に待っててくれるかな』
「うん！」

得意気にニンマリとした笑みを浮かべて振り返ったアズサを他所に、マフユを除く彼等は一度超進化研究所に戻ってカメラを貸してもらおうと歩み出していた。

「……おーい」

せめて最後まで人の話を聞けと、一度立ち去った彼等を半眼で睨んだ。

「……ふん、私一人で絶対このミッションを成功させるんだから！」
「……ミッション？」

新幹線の撮影をするだけなのにミッションとは何なのかと、一緒に残ったマフユは首を傾げた。

「居たわね、あの子」

───ふふ、待ってた───

空気に混ざって零れ落ちそうになる笑みを抑える。だがそれでも、口角がほんの少しだけ上がってしまった。いけない、いけない。

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