Wind Blowing in Joetsu. 8【新幹線変形ロボシンカリオン】 (ページ36)

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これは賭けだページ36

元から適合率が高いシオリは大ダメージを受けても尚、何とか気を保っている。……否、正直ギリギリだ。気を抜いたらすぐにでも倒れる。それは駄目だと舌を噛んで、別の小さな衝撃を与える。鉄の味が口の中でじんわりと広がった。

だがホクトは適合率が他の運転士よりも低い。下手すれば最初からクライマックス状態だ。適合率が低ければ低いほど、心身に多大な負荷が掛かる。E4が前に出て盾となり、500に直撃する攻撃の威力を弱めても既に彼は限界に近かった。ダメージと適合率の足りなさによる二つの負荷はたまったものでは無い。苦しそうに表情を歪める。

満身創痍の二機を前に敵はまだピンピンとしている。再びあの極太の光線を浴びせんと光子を集約し始めた。

『……！……やら、せない』

絶対に、倒されてたまるか。目を閉じて、小さく浅い呼吸を一つ。

───見開かれた目は、狙った獲物を絶対に逃がさない、何であろうと必ず殺るという目をしていた。

沸、沸々、……

手元に現れたエラスティックロッドを使って、それを支えに痺れる全身に鞭を打ってE4はゆらりと立ち上がる。500の前に再び立ち塞がって、背筋を伸ばし、ゆっくりと息を吸いながら丹田───下腹部を膨らませる。
腹式呼吸の中でも俗に内気呼吸と呼ばれるエネルギーを蓄える為の呼吸法で、自然界の発するエネルギー、気の呼吸と共に体内に取り入れて巡らせる。

沸、沸、沸々、……

呼吸を続けながら槍状にしたエラスティックロッドをくるくるとバトンの様に右手で回し、パシッと持ち構える。右手で持った槍の穂先を前方の敵に向けて、左手を前に伸ばして狙いを定める。

───頼む、これに賭けるしかない───

狙い定めて伸ばした手の指先まで神経を尖らせる。何なら全身に神経を尖らせる。
そして右足を後ろに下げ、体勢を少しだけ低くする。

しかしそれでも敵が光子を溜める方が早かった。

───ここまでか……！───

いよいよ万事休すか、今にも光線は放たれようとしている───

───刹那、衝撃音が捕縛フィールドに響いた。

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最初からクライマックスだぜ！(元ネタは某電車の仮面ライダー)
25～27話を絶賛執筆中(まだ25話)ですが専門用語の羅列してる場所あって自分でも「？？？」ってなりました。まぁその方がリアリティ増すしなぁ
やたら説明文が多い文章になりそうです(なってる)