両者の条件 ページ24
ヒビキは隣に座る出水をチラリと見やる。出水は彼女の意図を読み取り、頷く。
「私もそう思っている。シオン君はこれからという話だが、例えヤマトさんとツバメさんの君達に向けた願いであっても、君達が我々と一緒にやりたいという意志の為に各々が鍛え上げてきたこれほどまでの若い逸材を、手放したくはないからね」
『……！』
それじゃあ、と何かを期待した表情をするシオリを見て嗚呼、と出水が微笑む。
「シオリ君はシンカリオンE4の運転士として、カイジ君とシオン君はエンジニアとして、ミハル君はシンカリオンのシステム開発に携わってもらいたい。マフユ君はもし適合率が高いのであれば、いつかシオリ君と同じことをしてもらいたい、少々気が引けるがね。
……但し、君達にはやってもらわないといけないことがある。一つは、君達はいくらヤマトさんとツバメさんの血を引いて優秀とはいえ、本業は学生。だから学校には必ず行くこと、そして私情や学校行事を最優先にすること」
そう、例え優秀とはいえ一番下は小学生、一番上は成人済と言っても就職せずに大学三年生に編入をするので全員まだ学生である。
『それは勿論。……でもシオンは、』
「……はい、四月から群馬の学校に寮生として通うので……恐らく長期休講中じゃないと此方に顔を出せないです」
シオンもまた、兄のカイジと同様に高専に通う。だが埼玉には高専がなく、それを挟むかのように群馬と東京に高専がある。
大宮からだと東京の方が圧倒的に近いのだが、それでも群馬の方に通う事にしたのは偏差値が高い上に、全国五十以上ある中から御三家として選ばれる程にレベルが高かったから……という安直な理由であった。
おまけに寮生となると色々と規則が厳しい。遠出という遠出が出来るのは、長期休講中に閉寮で寮を追い出されて帰省が出来た時だけだろう(ちなみに学校近くの店とかは門限までに帰れればセーフらしい)。
「それは此方も承知済みだよシオン君。存分に専門知識を学んできなさい」
「っ……はい！」
ありがとうございます、とシオンは頭を下げる。出水はそんな彼を見て小さく微笑むと、今度はカイジを見る。
＿＿＿＿＿
栃木の小山、そして長野もあったんですが如何せん遠い……。まあ高専自体、何処も立地が悪い場所らしく( ￣▽￣)
御三家は明石は確実に、他二校は年によって変わるんですね………。偏差値と就職率の二つがあるんですが。
寮については、なんか調べてみたらそうらしいです？
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ゆっきー(プロフ) - とまさんさん» 感想ありがとうございます！文字書きが好きであっても、文系が苦手であるが故に文書にあまり自信がなかったのでとても励みになります…！ (2019年9月6日 15時) (
レス) id: 4e3b74874d (このIDを非表示/違反報告)
とまさん(プロフ) - 文書や設定などがしっかりしており、そちらの面でも非常に勉強になりましたと共に読み応えのある文書だと感じました。まだ全てを読み終えていませんので、また読み終えたら詳しい感想を書かせて頂けたら幸いです。 (2019年9月6日 12時) (レス) id: 5e6944cfc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - かなとさん» あっ………続編移行したところでオリジナルフラグは新しく付いてしまうんですね……報告ありがとうございます！ (2019年8月19日 21時) (レス) id: 4e3b74874d (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年8月19日 21時) (レス) id: 1346ef8349 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっきー | 作成日時：2019年8月19日 21時
