サメは海の夢を見る(ビーム) ページ6
オレは、透き通った青い海の中を泳いでいる。
いつもより体が軽くて、泳ぐのが楽しくて、どこまでも泳いでいけそうだった。
背中にはチェンソー様が乗っていて、『ビーム、もっと速く!』と楽しそうにはしゃいでいる。
サーフィンみたいな姿勢で俺の背に立ってバランスをとるチェンソー様は、最高にかっこいい。
チェンソー様にお願いされたのが嬉しくて、スピードをあげて泳ごうとしていたら、オレの後を追いかけて泳いできたAが軽く尾びれをつついてきた。
『デンジくんばっかりずるい!ビームくん、私も乗せてほしいな』
Aの笑顔にオレは照れてしまって、顔が熱くなる。いつもかわいいけれど、キラキラ光る海の中で笑うAは、いつにも増してかわいく見えた。
オレと、カッコよくてすごいチェンソー様と、カワイくてやさしいAが、キレイな海をひとり占め。
大好きな人たちと大好きな海に入れたら、きっと最高に幸せだ。
思わず顔がにやけてしまう。
ああ、オレ、2人を背中に乗せて泳ぎたい。
「おい、聞いてんのかよビーム!!」
「うぐァッ!?!?」
チェンソー様に頭を思い切り叩かれて、現実に引き戻される。
そうだ、ここは海じゃない。公安の中だった。
「チェンソー様、ごめんなさい!ぼーっとしてました!」
「あ〜!?ちゃんと聞いとけ、ドジっ子!
お前が相談してきたんだろーが!」
チェンソー様が俺をびしりと指さして、口を尖らせて怒る。そんなチェンソー様もカッコイイ!!
叫びたくなったけど、怒られそうだから我慢した。
「ビーム、しょうがねえからもっかい言うぞ!
女には、押して押して押しまくるのが重要らしい!」
「押す!押す!押す!」
チェンソー様が「そーだ!」と満足気に頷く。
昨日テレビのバラエティ番組で仕入れたという知識を、チェンソー様はオレに教えてくれようとしていた。
チェンソー様はやさしくて頼もしいから、アイスを奢ると、たまにAについて相談に乗ってくれる。
「だから、次Aに会ったら、好きだって気持ちを思いっきりぶつけりゃいいってこと!
お前、Aと両想いになりたいんだろ?
付き合いたいってそのまま言えばいいんだよ」
「チェンソー様、それでA、オレのこと好きになる?好き同士になれる?」
「……おォ〜、まぁ、たぶん…?」
「チェンソー様すげえ!天才!」
チェンソー様はやっぱりすごい!
Aと好き同士になる方法をこんなに簡単に思いつくなんて!
サメは海の夢を見る(ビーム)→←チョコレートと厄介者(パワー)
196人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちえ - アキくんの夢もまだ少ないのでこれから楽しみに待ってます (2022年10月15日 23時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - チェンソの夢はまだまだ少ないので嬉しいです!とても面白かったです!キャラクターの思考や話し方なんかがとても自然で楽しく違和感無く読めました。次回を楽しみにしています。差し支えなければ、マキマの夢が読みたいです。女夢主であればどんな話でも嬉しいです。 (2021年7月8日 0時) (レス) id: 979541037a (このIDを非表示/違反報告)
肩サラダ(プロフ) - チェンソーマン大好きなのでこういう短編集がすごく嬉しいです、、!最高です!!リクエストをお願いしたいのですが、ビームくんで女主のお話を書いて欲しいです!お時間ある時で構いませんのでよろしくお願いします! (2021年2月11日 20時) (レス) id: dfa81ef2dc (このIDを非表示/違反報告)
切れ端(プロフ) - ドコサヘキサエン酸さん» コメントありがとうございます!もっと良いものが書けるように頑張りたいです;;本当そう思います!アニメ化がきっかけになって、もっと増えたらいいな…… (2021年1月10日 0時) (レス) id: f24ed74d9a (このIDを非表示/違反報告)
切れ端(プロフ) - あるみくさん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!更新頑張ります! (2021年1月10日 0時) (レス) id: f24ed74d9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:切れ端 | 作成日時:2020年4月20日 11時