検索窓
今日:14 hit、昨日:28 hit、合計:66,468 hit

遠い記憶(ビーム)※男主 ページ20

せっかくチェンソー様と臨時のバディを組めたのに、最近、チェンソー様は昼になるとどこかへ出かけてしまう。

最初はついて行こうとしたけれど、「昼メシ食いに行くだけだから、お前はついてくんな!」と、ぴしゃりと言われてしまった。
チェンソー様に「来るな」と言われた手前、無理やりついて行くわけにもいかない。

こうして、暇を持て余しているオレは、公安の中庭でぼうっとして過ごしているのだった。

チェンソー様とバディになれば、あの血の魔人みたいに、肩を並べて戦ったり、一緒に昼食をとったりできると思っていたのに。

思い描いていたものとは違う現状にげんなりする。

オレだって、チェンソー様が「静かにしていろ」と命令してくれれば、外でお行儀よく食事することだってできるのに。

「よっ、ビームくん。元気?なんか暇そうじゃん」

声をかけられ目線を上げると、軽薄そうな笑顔を浮かべたAがこちらを見下ろしていた。

普段俺がバディを組まされているA。
無神経なところとか、いつも薄ら笑いを浮かべているところがなんとなく癪に触る変なヤツ。
オレは、こいつのことがなんとなくキライだった。

「憧れのチェンソーくんとのバディ生活はどう?楽しんでる?」

ムッとした。
チェンソー様に置いていかれたことを気にしていたのに、どうしてこんな時に無神経なこいつがやって来るんだろう。

返事をせずにそっぽを向くと、Aはオレの隣にしゃがみこんだ。 そして俺が浸かっている地面を触りながら、聞いてくる。

「ねえ、地面の中って冷たいの?海みたいで気持ちよさそうだよね。今日、暑いからビームくんが羨ましいよ」

「…別に気持ちよくない!うるさい!」

「うおっ、なに、今日ご機嫌ナナメじゃん」

「ナナメじゃない!!」

Aの肩を押すと、Aはどてんと間抜けな尻もちをついた。
それから、ニヤリと笑って、こう聞いてくる。

「…………ははぁん、さてはチェンソーくんと喧嘩したな?」

「してない!!ウザい!!」

「よしよし、わかったわかった。ソフトクリーム奢ってあげるから元気だしなよ。俺、いい店知ってんだよね」

「いらない!!ウザい!!」

「まぁまぁそう言わず」

半ば引きずられるようにして、休憩室を出ていく。
今すぐこいつに噛み付いてやりたかったけれど、マキマ様に怒られそうだからできなかった。

「……オマエ、面倒臭い!」

「ふふ、よく言われる」

Aはくすくすと笑っていた。

遠い記憶(ビーム)※男主→←花束を君に(パワー)※女主



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (195 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
196人がお気に入り
設定タグ:チェンソーマン , 短編集 , ジャンプ   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちえ - アキくんの夢もまだ少ないのでこれから楽しみに待ってます (2022年10月15日 23時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - チェンソの夢はまだまだ少ないので嬉しいです!とても面白かったです!キャラクターの思考や話し方なんかがとても自然で楽しく違和感無く読めました。次回を楽しみにしています。差し支えなければ、マキマの夢が読みたいです。女夢主であればどんな話でも嬉しいです。 (2021年7月8日 0時) (レス) id: 979541037a (このIDを非表示/違反報告)
肩サラダ(プロフ) - チェンソーマン大好きなのでこういう短編集がすごく嬉しいです、、!最高です!!リクエストをお願いしたいのですが、ビームくんで女主のお話を書いて欲しいです!お時間ある時で構いませんのでよろしくお願いします! (2021年2月11日 20時) (レス) id: dfa81ef2dc (このIDを非表示/違反報告)
切れ端(プロフ) - ドコサヘキサエン酸さん» コメントありがとうございます!もっと良いものが書けるように頑張りたいです;;本当そう思います!アニメ化がきっかけになって、もっと増えたらいいな…… (2021年1月10日 0時) (レス) id: f24ed74d9a (このIDを非表示/違反報告)
切れ端(プロフ) - あるみくさん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!更新頑張ります! (2021年1月10日 0時) (レス) id: f24ed74d9a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:切れ端 | 作成日時:2020年4月20日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。