【A3!】優しさを溶かして＿ 【茅ヶ崎至】

花咲学園 ページ2

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「ちょっと2人とも！」


慌てた声がして振り返ると、隣のクラスの咲也があわあわと私たちを見ていた。


「咲也ぁ〜！」

「ちょ、Aちゃん！」


私は思いっきり咲也に抱きついた。



ああ、もう本当に咲也天使。

可愛い。可愛すぎるわ。

なんだもうこの子、背中に羽生えてるんじゃないのか。



ジロジロと咲也の背中を見ていると、


「な、なに？背中に何か付いてる？」

少し照れたように首を後ろに向ける咲也。


やっぱり可愛い。

私のしてる乙ゲーにも負けてないよ、咲也。



ニヤつきながら未だに咲也に抱きついている私を、

ネオヤン…万里が無理矢理引き剥がした。


「ああっ！私の充電器がぁ〜！」

「咲也はお前の充電器じゃねぇっつの」

「邪魔しやがって」

「うっせぇ、お前がくっつくと咲也のピュア度が薄れる」


なんだコヤツは。めちゃくちゃ失礼だ。


「ふんっ！アンタが咲也といる方が私の可愛い可愛い可愛いいいいいいい咲也が汚れちゃうわ！」

「んだとっ！？」

ギロリとこっちを睨みつける万里。


ヒェー、さすがヤンキー。


「な、なにさ！」

私も負けてられないと睨み返す。


バチバチバチッ


今にも火花が散りそうな私たちの間に、

咲也がまた慌てて入ってきた。


「もうー！いつも2人はすぐ喧嘩する！」


咲也より遥かに身長の高い万里の前に

立ちはだかろうと、ぴょんぴょん飛んでる咲也。


…うへぇ………女の私より可愛い。


すると、


「チッ、咲也が言うならしゃーねぇな」

万里がガシガシを頭をかきながら呟いた。



このヤンキーを沈めちゃうなんて、
本当に天使だったのか、咲也。
いや、女神かもしれない。
このさい性別なんて関係ない。
咲也の可愛さは性別なんていう人類の理屈をくつがえすくらいの可愛さなんだから、女神だろうとなんだろうと可愛い。咲也は可愛い。




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