201号室:天馬と幸の部屋 ページ37
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「幸ちゃん…これは一体…」
ポカンと口を開ける私の目の前には鏡。
そこには、見知らぬ女の子が。
「前からアンタをモデルに服作りたかったし。
ま、プレゼントとして受け取ってよ」
得意げな幸ちゃん。
私が身につけているのは、
普段絶対に着ない可愛らしい服。
「ついでに、髪の毛もやってあげる」と、
幸ちゃんが巻いてくれた髪は、
いつものボサボサ頭なんかじゃなくて、
綺麗に緩くカーブしていた。
「か、可愛い……」
鏡をまじまじと見ながら呟くと、
「服がね」
って幸ちゃんの手厳しいお言葉。
へいへい、分かってますよ。
どうせ可愛くないですよ。
馬鹿力ゴリラですよー。
「なに不貞腐れてるのさ」
「別に」
「はぁ…どっちが年上なんだか」
う…痛いところをつかれた。
自分より4歳も下の子に、
こんな扱いされる私って……。
しょんぼり肩を落とす私。
そんな私を横目に見ながら、
幸ちゃんはドアに手をかけた。
「ほら、行くよ」
「え、どこに?」
「どこってみんなのとこ」
「は!!!?」
え、待って待って待って!
「この格好で行くの!?」
「当たり前。
俺の自信作みんなに見てもらうから」
「そ、それだったら服だけ持っていけば…」
「何言ってんの?
モデルのアンタが着てこその服なんだけど」
幸ちゃん、その目怖いです。
うぬぬぬぬぬぬ。
渋る私に、幸ちゃんは全く折れず。
「はぁ…わ、わかったよ…」
重い足取りで談話室に向かう私と、
幸ちゃんだった。
「絶対万里とかそこら辺に笑われるわ、これ」
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ぽっぷんぺ ∂(プロフ) - 夜桜霙さん» コメントありがとうございます!!更新の励みになりました!がんばります…! (2017年9月6日 19時) (レス) id: 1dd4cba745 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜霙(プロフ) - あ、やばい、至さんかっこよすぎて昇天しそう…更新頑張って下さい!! (2017年9月4日 18時) (レス) id: a43026bb5f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷんぺ ∂(プロフ) - 和風和菓子姫さん» コメントありがとうございます!たるち可愛くさせるのが好きで…笑← 更新の励みになりました! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 1dd4cba745 (このIDを非表示/違反報告)
和風和菓子姫 - え、ちょ、たるちが可愛いすぎるぁぁぁぁぁ!! (2017年9月1日 1時) (レス) id: 6f0a98566f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなみ | 作成日時:2017年8月26日 17時