ずっと月は綺麗でしたよ 【東海オンエア】 【てつや】

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てつやSide



もう会えないのかもしれない。



嫌だ。



絶対に嫌だ。



俺がこうやってここでボーっと立ち尽くしている間に
Aの身に何かあるかもしれない。



今すぐ取り返さなければ。



俺は急いで車に乗り込み、車が走り去っていった方向に向かって走り出した。



信号待ちをしていると、近くの駐車場にあの車が泊まっていた。



近くに車を停めて車に近寄ると、旦那は取り乱していて、
Aはそれを睨みつけるように見ていた。



俺はAが座っている方の窓を叩いて



て「A！！」



と大声で名前を呼んだ。



すると、Aは驚いた表情で俺に気付いた。



旦那は車から出さないように必死で、それを拒むA。



俺はドアを開けて



て「A、行くよ！！」



そう言って今度は離さないように、
痛くないようにしっかりと手を握ってAを車から降ろした。



「てつや…」



俊介「そんな男と一緒になったってお前が後悔するだけだからな！！」



「後悔なんて絶対にしませんから」



俊介「俺のところに泣いて戻って来たって無駄だからな！」



「何があったってあなたのところになんて戻りません」



Aの眼差しは真剣そのもの。



でも、俺の手を握っているその手は震えていた。



俊介「フッ)そんな女、くれてやるよ」



その言葉を言われた瞬間に俺の中で何かが切れた。

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