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三十三話：自然界にない石 ページ35
いつのまにか着いていた。考えるのって恐ろしい。
私が一つのことにここまで考えを張り巡らせること自体が珍しい。
珍しさを見るような目で特に何も変わっていない自分を見る。
そんな自分に呆れて横を向く。
その横を向いた瞬間、奥の茂みに隠れた何かが光った。
何が反射したのだろう。そもそも反射するような綺麗な石でもあるのだろうか。
奥の茂みに向かって反射したものがあるであろう場所を手探りで探す。
不思議な着色のしてある紫の石の欠片だった。
暫く動いた形跡もない。きっと誰かが落としたのだろう。
それをポケットに入れて元の場所に戻る。
「勝手に行動しないでよ！」
つくし、と思われる人に怒られた。
この石の事は誰にも話してはいけない。そんな気がした。
「聞いてるの？」
「聞いてませんでした」
三十四話：呆れ返るほど平和な時間→←三十二話：不可解な出来事もあるものだ
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作者名：紲娘 | 作成日時：2020年7月23日 10時
