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十話 ページ10

「次は俺か〜?秋山 奏。ピチピチの高校二年生。副会長代理。好物は女」



、、、すごいフェロモン。なんか、女として負けた気がする。どっから出してるんだろうこの色気。



次は、、



「次は私ね」



聞かなくても、知ってる。きっと、貴女自身より。



「華月 瞳です。貴女と同じ高校一年生で、副会長よ。女同士仲良くしましょう」



他人行儀に紡がれる言葉。ぐっと涙を堪えた。



「、、よろしく」



うまく笑えただろうか。



自己紹介をしていないのはあと、1人。
上座に君臨する黒い頭の彼。



「陽平」



え?陽平ってオレンジの頭の人じゃないの??
同じ名前?え?



混乱していると、岬陽平が口を開いた。



「あの黒いのが暁 昴。二年生で生徒会長。この学校で平穏に暮らしたいなら逆らわない方がいいよ」



平穏に、暮らしていけるなんて、無理。
今まで平穏に暮らしたことなんて、ないのに。



「次は愛華ちゃんの番だね」



「わ、私??」



「もちろん。俺たちは君のこと何も知らないからね」



そう言われてみればそうね。でも大して言うことなんてないんだけど。



「結城 愛華。一年。担当は、、、知りません」



もう愛想よくするのも疲れて淡々と話す。



「ああ、愛華ちゃんの担当は、庶務だよ」



そうなんだ、、初めて知った。



「ていうか、そっちが素ー?」



クラスの自己紹介ではニコニコしてたけど、もうすっかり真顔で淡々としか話さなくなった私。さすがにバレるか。



でも返事するのも癪なので、無言で通す。



「あ?そーなのか?」



「クラスの自己紹介の時はニコニコしてたんだよー」



「へぇ?見てみてぇな〜。愛華、ちょっと笑ってみてちょ〜だいよ」



笑えと言われて笑えるわけないでしょう。無言で秋山 奏を睨んだ。



「お〜怖」



笑いながらそんなことを言う。全然怖くなんてないくせに。

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作者名:あこのん | 作成日時:2017年3月5日 21時

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