ささやかな願いを、ともに 〚夢小説〛

♢大切な人だから　“桜井景和”　 ページ2

本編沿いではありませんが、ジャマト化された沙羅ちゃんの消滅後から景和が願いを叶える前までのお話です。景和くん推しの方は読むのおすすめできないかもです


最後に安らかな顔を心に留めて、さようならも言えないなんて。

付き合ってから半年が経とうとしてて明日は休日。
だけど浮かれてられる余裕はなかった。
何をするにも深く集中できなくて。
昨日、ヒビの入ったガラスのような顔で、教えてくれた。
「姉ちゃんが、、、、おれ、、、吸い込まれてって、、、」
　私はその時、ただ相槌を打つ事しかできなかった。
どう接したら少しでも心がやわらぐのか、
いくらスマホの画面をスクロールしても分からない。
　でも、彼のほうがずっと思い悩んでるはず。
ずっと苦しみを抱えて生きてかなきゃいけないのだから。
心配だけしてこのまま何もしないよりは、
　今からでも遅くないかな。思い切って送信してみた。
　 既読《明日、お家に行きたいなと思ってるんだけど》
　 既読 《いつがいいかな?》
え、もうみたの?
…それくらい何も手がつかないってことかな。
数分立ったくらいに少し意外な返信が来た。

《今来てほしい》

今…
予定はないから行けるには行けるけど、何かあるのかな、


　 既読 《わかった》
急いで支度をして足早で彼の元へと向かう。


ここだよね、景和くんのお部屋。
この扉の向こうでゆったりテレビみたり、
料理を一緒に作ったりしてよく入ってたはずなのに、
緊張する…
ぎこちない動きで指先をインターホンへと持っていこうとしたとき、一人となった部屋の主はすぐに玄関へとかけてきた。
「生きてる…」
霧のような掠れ声で迎えてくれた。

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