検索窓
今日:33 hit、昨日:1 hit、合計:753,792 hit

8 ページ8

…のは良かったけど、ここ数分沈黙の時間が2人の間で流れている。


気まずい。非常に気まずい。


喋ってみたいって言ってくれたの国見くんじゃん、なんか喋ってよ。

と心の中で文句を言ってみるが聞こえるはずもない。


隣を歩く国見くんはただ飄々とポッケに手を突っ込んで歩いているだけである。


私は沈黙を破るべく恐る恐る問いかける。


『国見くんは、お家この辺なの?』


国「そうだけど。俺、北一中出身だし。」


北一中…といえば、確か宮城の中学男子バレー部の強豪校だ。

新聞の記事で一度見た事がある。

この青葉城西高校には北川第一中学出身の人が多いと聞いた。

及川さんや、岩泉さんもそこの中学出身だったはずだ。


『じゃぁ、結構同じ中学の人、多いんだね。』


国「まぁね。上原は?」


『わ、私は…』


一瞬、言葉を詰まらせる。
国見くんが不思議そうな顔を浮かべた。


『えっと、私、この辺じゃないから多分言っても分かんないと思うけど…』


国「え、そうなんだ。どのへん住んでんの?」


『…岩手』


そう言うと国見くんが驚いたように目を見開く。



だから言いたくなかったんだ。
わざわざ、岩手に住んでて青城を受けた事を知られたくなかった。



国「え…上原、毎日岩手から来てるの?」



意外そうに国見くんが聞き返してくる。


お願いだから掘り下げないで。と心の中で祈る。


『うん、まぁ、そうだけど…』


国「どれぐらいかかんの?」


『2時間…?ぐらいかな…』


国「大変だね…朝練とかくるのキツくない?帰りも遅くなるし…」


『好きでやってる事だから。』



それだけ国見くんの目をちゃんと見て言った。


けど、顔に熱が集まるのが分かって慌てて目を逸らして俯く。



『じゃ、じゃぁ、駅こっちだから…私もう行くね』



早口にそう言って、私は国見くんに背を向けて歩き始める。



逃げたい。一刻も早く。

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (189 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
591人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 青葉城西 , 国見英   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミルク - 何か反撃するのは?どうですか?? (2020年11月2日 19時) (レス) id: 243dd4bfbb (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - ひっぴゃさん» ありがとうございます!!紹介させて頂きます(*^^*)続編早く見れるようになってぇえ(願望) (2020年7月14日 8時) (レス) id: e9391e3b89 (このIDを非表示/違反報告)
ひっぴゃ - 続編がどういうわけか見れないので此処で。お気に召していただけて何よりです!作中の紹介、是非!今、続編見れるように頑張ってます!更新頑張って下さい! (2020年7月14日 6時) (レス) id: 14d46d1dc7 (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - LiSAさん» ありがとうございます!これからも頑張ります(`_´)ゞ (2020年7月2日 20時) (レス) id: e9391e3b89 (このIDを非表示/違反報告)
LiSA(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!この作品とても好きなので!!更新頑張ってください〜!!! (2020年7月2日 20時) (レス) id: dfc2066332 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hiro | 作成日時:2020年6月21日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。