嫌われ者。【青葉城西】

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菅「あっ！じゃぁさ、連絡先交換しない？一応さ！」



そう言って、男の人はカバンからスマホを取り出す。


なんだろう…この軽い感じ、本当に既視感をビシビシ感じる。


て言うより、私は連絡先以前にこの人の名前すら知らない。

なんて、このタイミングで今更言いづらい。


まぁ、正直なところ影山くんにも口止めしてくれるのはかなり助かる。
ありがたい限りだ。


連絡先ぐらい知ってても損はないだろう。


私もカバンからスマホを取り出す。


その中からSNSのアプリを立ち上げてお互いの連絡先を交換した。


画面に表示された連絡先を確認する。



自分のユニフォームらしきアイコンと、「菅原孝支」の名前。

菅原さんか…


ここでようやく相手の名前を知る。



お互いスマホの画面を見てる時、背後の体育館の扉がガラッと音をたてて開いた。



澤「スガー！何やってんだ？もうアップ終わってるぞ。」



背中越しに聞こえるその声に私は振り返る。


そこには既に練習着に着替えて、薄ら汗を流している男の人がこちらを見て立っていた。



確か、烏野のキャプテンだ。



菅「おー、悪い悪い、今行く！」


菅原さんはそう言って私の脇を通り過ぎて駆け寄って行く。


私は、烏野のキャプテンと目が合って小さく会釈をされたので、すかさず会釈を返す。



菅「じゃーまたね！上原ちゃん！」


そう言ってこちらに手を振る。

私は手を振る代わりにペコリと頭を下げた。

体育館のドアがまた音を立てて閉まる。




上原ちゃん…


これまたある人を彷彿とさせる呼び方に苦笑が隠せない。


『何が爽やかだよ…』


誰もいなくなった渡通路でボソッと呟いた。

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