嫌われ者。【青葉城西】

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それだけ言うと、岩泉さんは及川さんのもとに戻って肩を担ぐ。


ガツンと首を切られた気分だった。



誰よりもこの人に言われたのが苦しかった。



体育館の空気は悪いままだ。

岩泉さんは足を引きずる及川さんを抱えて、ベンチに座らせる。


岩「誰か、テーピングできるやついるか？」


及川さんが部員と、マネージャーに声をかける。

3人は首を振り、部員達も出来ないという。


私は迷った。ここで名乗り出るべきか。


迷った挙句に私は震える手をちょっとだけあげる。


『わ、わたし…テーピング…できます』


マネージャーになるからと、何度も練習した。


だから…



及「あ、じゃぁ、上原ちゃん頼んでも…」


及川さんがニコッと笑って言った。


その笑顔はどこかぎこちなかったけど、ほっと一瞬肩を撫で下ろす。




岩「お前はプレイヤーに触んな。」




けど、岩泉さんのその一言ですぐに緩んだ心臓はキュッと縮まった。





その後の事はよく覚えてない。


及川さんと岩泉さんとコーチが部活を抜けて、残った部員達だけで部活は再開された。


空気は重くて、みんな私を腫れものの様に避ける。

正直、尻尾丸めて逃げたい気分だった。


でも、今ここで帰ってしまったら明日ここに来れない気がした。



だから、私は最後まで立った。






大丈夫。大丈夫。

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