検索窓
今日:2 hit、昨日:20 hit、合計:605,519 hit

地獄のトレーニング(尋問) ページ10

熱心な指導のもと、何時間か経過した。私も上達はするもののセンスが悪い人を演出した。ほんとにバレてない、よね?

「はぁ、今日はこんなものか。」

あ、そろそろ終わりらしい。結構時間経ったし。

「あ、鳴海。そういえば。」

帰ろうとしたら後ろから声をかけられ背筋が凍る。あ、やばいこれ。降谷さん声が怖くなってる。

「君、どうして下手なフリしてるんだ?」

怖くて後ろを振り向かないままいると、強制的に振り向かされ目の前には怖い笑顔の降谷さんがいた。目が笑ってない。

「いや、えっと、その……。」

うまい答えを見つけられず、目を泳がせていると、

「まあいい。とりあえず飯行くぞ。その話はそこで詳しく聞かせてもらう。」

そういうと、降谷さんは帰る支度を始めた。
私も追いかけるように片付け始めると、

「あれ、鳴海じゃん。」

聞きたくない声。もう二度と会いたくない人の声が聞こえた。

「お前、相変わらず下手だなあ。前までトップだったのに。」

「……。」

「また無視かよ。別にいいけど。どうせ仕事も雑用でもしてるんだろ。そうやって手抜いて俺に恩を売ってるつもりか。」

「……っ。」

声が出ない。気まずさで目も合わせられない。行き場をなくした震えた手が、不覚にも降谷さんのスーツのジャケットの裾を掴んだ。
降谷さんには私がどう見えるだろうか。今の人間関係にこんな過去、持ち込みたくもなかったのに。怖くて俯いていると、

「まあどうでもいいや。俺もそんなに構ってあげる時間ないし。じゃあな。」

と同期の彼は奥の射撃場に行ってしまった。

私は降谷さんのことを待たずに、すぐに準備をしてその場を離れた。

上司としての振る舞い→←地獄のトレーニング



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (174 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
657人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。