地獄のトレーニング ページ9
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今日はトレーニング初日だった。案の定、筋トレ多めのメニューで初日から死にかけた。私の筋力がないのを確認するたび、ため息や「これでよく警察官になれたな」等言われ、呆れられた。正直ちょっと心折れそう。だが、今のところ作戦はうまく言っている。
というのも、私が引き抜かれた原因である実力がなければ戻れるのではないかということである。私は警察学校時代から適度な加減をしまくっていた人間だ。こういうのは得意である。……まあ、筋力皆無なのは本当だけど。
実は今日まで毎日練習していたと降谷さんに伝えたが、正確には手を抜く練習をしていたのだ。卒業してからは加減をする必要がなかったので、感覚を取り戻さなければならなかった。
まあ、どうしても嫌なら犯人の前でも実力を隠せばいいのだが、それは何か違う。私はみんなを守るために警察官になった。そこは変わらない。ただ、目立ちたくないだけだ。わがままかもしれないけど、もうあんな思いしたくないから。
数日経ち、ここのデスクワークにも慣れてきた頃に降谷さんから連絡が来た。特訓もそこそこ数をこなし慣れてきた頃だ。メールによると今日は射撃の練習だそうだ。私の得意分野、ではあったものの前の部署ではほとんど使わなかった。私の担当が担当だったからかな。
仕事を済ませ風見さんに事情を説明して、降谷さんのところへ向かった。風見さんにはまた励ましてもらい、少しばかり申し訳なくもなる。
「……はぁ、はぁ。……すみません!待たせてしまって。」
「いや、こちらこそ急に呼び出してすまない。空いている時間が取れそうなのは今日くらいでね。」
降谷さんはもういつでも始められるようだった。私も急いで準備をして、彼の背中を追いかけた。
「まず、一度撃ってみろ。」
そう言われ、一発撃つ。予想通り的の真ん中から3つほど離れた枠のところに当たる。適度に下手さが出ているのではないだろうか。
「んー、左にずれているな。体が無意識かもしれないが左を向いている。それから……。」
降谷さんの指導が続く。すごく的確なアドバイスで、私がわざと下手に見せる時に意識していることをズバズバ言われる。これ、バレてないよね。
ちょっとした不安を抱えながらも、真剣に指導してくださる降谷さんに申し訳ない気持ちで、アドバイスを聞いていた。
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Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時