バイト≒ボランティア ページ45
「……へぇ、バイトさんが集まらないんですか?それはまた……。」
「そうなんですよねー。いっそAさん、一緒に働きませんか?見たところ学生さんみたいなので!」
天使、もとい梓さんと話して数分。最初はやばいやつみたいな目で見られていたものの、いろいろ話すうちに打ち解け、会話も弾んでいた。今日ばかりは客がいなかったことに感謝しなければ。
それよりも梓さんが一人で働いてる理由がわかった。意地悪されているわけではないようなのでとりあえず一安心だけど、店員さんが一人というのもかわいそうだ。
「あはは……、残念ながら就職している身なのでアルバイトに入るのは厳しいかもです……。でも、休日だったらお手伝いしますよ!梓さんのためならボランティアやります!」
「いえいえ!それはさすがに申し訳ないです!それに店長も許可してくれるかどうか……。」
「……じゃあ、社会勉強として次のバイトさんが見つかるまでの間、研修で働くとかならどうですかね?」
そう言うと、梓さんはちょっと考えて、
「うーん。一応店長に聞いてみますね!」
「やったー!ありがとうございます!」
バイトさんがいないとなれば、余程のことがない限り採用だろう。どの職場でも人手不足は死活問題だし。
もし降谷さんにバレて怒られても高校生の設定の裏付けということにしよう。……本名使ってるけど。
まあ、一番の理由は梓さんが一人で働いてるのを見逃せないからだが。……こんなにかわいい子を放っておくなんてかわいそうだ。
「Aさん!連絡先交換してもいいですか?」
「……これは夢ですか?」
「え?」
「ああ、すみません。つい嬉しくて!」
梓さんにまた不審に思われながらもどうにか誤魔化す。梓さんに苦手意識持たれるのはいやだ。
どうにか丸め込み梓さんと連絡先を交換した。このスマホ、宝にしよう。
「じゃあきっと後日連絡すると思うので、よろしくお願いしますね。」
「何がなんでも電話出ます!」
と、言っていると別の人から電話がかかってきた。
「あ、電話が。……ちょっとすみません。」
一時退席し電話に出る。
「もしもし、お疲れ様です。鳴海です。」
「あ、鳴海さんか!休日に悪いが、今からちょっとこっち来れるか?大変なんだ!」
風見さんが慌てながら言ってきた。何があったんだろう。
「え、なにが……?」
「とにかく早く来てくれ!緊急だ!」
とここで電話が切れた。
はあ……。せっかくののんびりした休日が台無しだ。
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Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時