新一の本音 ページ34
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盗聴器を仕掛けてから2週間以上経った。が、未だに怪しいところはなし。
強いて言うなら、酒を飲んだ後の荒れようが酷い。だいたい上司の愚痴ばかり言っている。
「鬼上司!怒ったからって私に仕事振りすぎたー!大人気ないぞ!」とか「なっにが意地悪しすぎた、だよ!かわいいかわいい言っておけば丸く収まるのはイケメンだからだぁ!……なんで、なんでイケメンなんだよぉ!不覚にもときめいちゃうだろー!」とか。
あれ?Aってその鬼上司さんのこと好きなんじゃ……?いや、それはないか。あいつほど条件反射で生きてる人間いないし。
いやいやいや!Aの恋愛事情はどうでもいいわ!あまりにも情報がなさすぎて、これが一番多い話だからついそればっかり気になるんだよな。
今日も収穫なしかと思って寝ようとしたところで、
『……あれ?なんか、入ってる?……うわぁこれ、盗聴器じゃん!嘘、いつの間に!?……もしかして!』
やべっ!気づかれた!
焦ったところで電話が鳴る。コナンのほうだ。
「もしも……」
『もしもし新ちゃん!!なんで盗聴器仕掛けてんの!?私そんなに疑われることした!?』
オレの声を遮るように、耳元で大音量の声が聞こえた。
「いきなり電話かけてきたかと思えばAかよ!静かに喋れよ!耳壊れるかと思ったわ!」
『そうじゃなくて!盗聴器!!なんで盗聴器仕掛けたの。……もしかして、お姉さんの恥ずかしいところ盗み聞きしようとしてたの!?』
はぁ!?そんなことするわけねぇだろ!?
「なっ!?ちげーよ!オメーが怪しいことばっかり言うからだろうが!」
『そんなこと言ってないもん!』
「じゃあどうして仕事の話全くしないんだよ!こっちもな、信用したいのに信用しきれないんだよ!」
つい慌てて本音を言ってしまった。一応とはいえ、まだ組織と繋がっていない確証はないのに。むしろこれを逆手にとられて、丸め込まれる危険もあったが、Aにはどうしても言っておきたかった。
『……信じようと、してくれたの?』
「……ああ。Aは大事な幼馴染だからな!」
ついカッコつけてしまった自覚はあった。でも大切な幼馴染であることは変わらない。
『もう!新ちゃんってばカッコつけたがりなんだから!……わかった、これは秘密だよ。』
「ああ。」
『……私は日本を守るために暗躍するヒーローだよ。』
オレはいろいろな可能性を考えたが、どれも組織とは繋がっていないという点においては同じだった。
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Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時