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直球すぎる ページ32

「すご……。」

獅童隼太の住んでいる場所はタワーマンションの最上階とその一つ下だと聞いていたが、そのタワーマンションがとにかく大きかった。思わず息をのむほど。

最上階まで上がりドアを開けると

「こんにちは胡桃ちゃん。いや、僕が生徒だから胡桃先生、かな。」

いきなりか。前から思っていたが隼太は押しが強く、こっちも引き下がるしかない。

「こんにちは。私はなんて呼んだらいいかな?」

「好きなように呼んで!あ、でも出来れば下の名前がいいな!」

希望あるじゃないか。なにが好きなように、だ。
どうにかそれに気づかれないように笑って

「隼太、くん……?」

「かわいい……。僕、胡桃先生のこと好きなんだ。だから胡桃先生にも僕のこと好きになってもらいたくて。」

照れたように言う彼。ここまでストレートだと、逆にハニトラなのかと疑うレベルだ。ハニトラじゃないとしたら、どんな教育法なんだ!?どうやって教育したらこうなるんだ!?

彼と話してわかったことは、彼はまだ高1だと言うこと。未成年をあの店に連れてきてよかったのだろうか?いや、オーナーが自ら来てるからいいのか。

「胡桃先生。早速なんだけど、僕数学と化学が苦手なんだ。教えてくれる?」

「もちろん!」

私は自信を持って答えた。なにせ私は東大法学部卒だ。しかも文転した身だから、高校の理系科目もしっかりやってきた。


数時間経ち、苦手だという数学の苦手部分を一通りやり終えた。もう隼太はクタクタだった。

「なにか飲み物いる?場所教えてくれれば、私取ってくるよ!」

「まっすぐ行って、突き当たりを左に曲がったところ。冷蔵庫のなか。」

疲れ果てて文章にならない言葉をしゃべっていた。それほど今日は頑張ってくれたのだろう。

「……はい。とりあえずお茶。」

「ありがとう、胡桃先生。僕の告白、嘘じゃないからね。」

な、なんなんだ。この子は?とにかく表現がストレートだ。聞いてるこっちが恥ずかしくなる。

「ふふ、ありがとう。」

と、ふと時計を見ると9時になりそうだった。

「……じゃあ私、そろそろ家に帰るね。楽しかったよ、また明日。」

靴を履いたところで手を掴まれる。

「別れる前にハグ、したいな。」

はああああ!?これ、ほんとに高校生か!?

「……そういうのは、好きな人同士でするものだよ。」

「僕は胡桃先生が好きだよ。」

「私は、まだ好きじゃない。」

そう言って玄関を出た。ちょっとした牽制のつもりだけど、伝わったかな。

新ちゃんはカッコつけたがり→←ちょっとした休息



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Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時

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