優しい上司 ページ27
「いえいえ。ただ家に飾るだけです。」
そんな奇妙なことを言う大輝くん。え、怖いよ。
「……なんか怖いから自分でやる。」
その後の集中力はすごかったよね。大輝くん怖すぎ。顔上げると目が合うのも怖い。というかこっち見てないで仕事しろよ!
どうにか0時回る前に仕事を終えられた。風見さんは夕方に私に言ったことを覚えていてくれたようで、待っていてくれた。
「……終わったか。どこに行きたいんだ?」
女性はどんなところに行きたいのかわからなくてな、と付け足す彼は女性を連れて出かけたことなどないのだろうか。
「うーん……。無難に居酒屋行きますか?お腹空きましたし。」
私の言葉で行き先が確定し、風見さんと飲むことになった。「くれぐれも!気をつけて!!」と大輝くんに怖い目で言われた。まあ夜中だもんね。
ご飯がやたら美味しいこのお店で、風見さんと私はお酒の耐性が同じくらいであることが判明したり、自分がどれだけハニトラをかけられるようになったか試そうと風見さんに仕掛け、身内にハニトラをかけることは羞恥心のほうが大きくてなかなか難しいことがわかったりした。
最後の方は降谷さんの愚痴になり、収集がつかなくなる前に解散した。
「……るや、さ、きみ……、せん……、……のか。」
愚痴の途中で何か大事なことを言っていた気がするが、断片的にしか思い出せない。まあ、大したことじゃないだろう。
今日は遂に例の店での初仕事。店の名前は、『Tempting Kitten』。誘惑する子猫だなんて随分趣味の悪い店だ。客も客でわかってるのかわかってないのか。
とにかく気を引き締めて店へ入ると、前に面接をしてくれた人が出迎えてくれた。
「山本さん、こんにちは。僕のこと覚えてるかな?」
「もちろんです!面接をして下さった日野さんですよね?今日からお世話になります。」
日野さんは満足したような様子でスタッフルームへ案内した。
「山本さんはまず研修期間ということで、藤本さんに教えてもらってね。」
「藤本結衣です。胡桃ちゃんだよね?よろしく!」
やたら気さくだ。思っていた感じとはまるで違った。てっきり先輩が後輩を蹴落とすとかザラにある感じでピリピリしているのかと。
その藤本さんから聞いたことには、
藤本さんは高3だということ(設定上は高3なので同い年)
ここに来るのは10〜20代が多いこと
夜の仕事は実力を認められた人が声をかけられること
とりあえず核心に迫るには頑張るしかないってことか。
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Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時