潜入準備 ページ26
「名前は山本胡桃、学校は帝丹高校で間違いないですね?」
「はい、ぜひここで働かせてください!」
私は潜入先のメイド喫茶に来ていた。なんでも、ここはメイド喫茶でありながら夜にはキャバクラのような仕事をさせるらしい。しかも高校生に。
証拠もなく警察も手を出せないことから、私が潜入し、実態を掴んでこいとのこと。なにより初めての潜入調査だからそれにふさわしいのを降谷さんが選んでくれたらしい。これ、ふさわしいのか……?
「多分採用だと思いますが、一応上の者と確認がありますので、連絡をお待ちください。」
と、さすがに今日は帰された。
数日後連絡が入り、次の日から店で働くことになった。
連絡が入った時はちょうど本庁で仕事をしていたので、まず降谷さんに電話報告をする。
「……お疲れ様です。鳴海です。」
『ああ。そっちは順調か。』
「はい、明日からシフト入ります。」
『そうか。……くれぐれも隙を見せないように。』
そう言って電話を切られてしまった。やはり忙しかっただろうか。彼も、とある組織に潜伏していると聞いた気がする。私の何倍も忙しい中、結構な時間を私のために割いてくれていたと思うと、ありがたいし失敗できないというプレッシャーもある。
気を引き締めていかないと。
風見さんにも報告をしたところ、明日からは毎日来る必要はないと言われた。降谷さんが言っていたらしい。
「え?本当ですかそれ。」
「嘘をついてどうする。……まあ、こっちは気にせず自分のことに専念しろってことだろう。」
そう言って風見さんは私のデスクに複数のファイルを置いた。
「……これは?」
「君にやらせるようにと降谷さんに言われた仕事だ。……結構な量あるが、これ終わったら帰っていいぞ。」
「あの鬼上司め!やっぱりあの日のこと根に持ってたな!?許さん!」
風見さんは苦笑しながら、「終わったら何か奢ってやるから。」と言ってくれた。
「Aさん。やばい量ですねそれ。」
と話しかけてきたのは同僚の伊藤大輝くん。私より一つ年下だが公安所属歴は半年長く、私も最初は敬語で話していたのだが、いろいろあってお互い名前で呼ぶことで決着した。なぜそうなったのか自分でも納得してるわけではないが、彼の押しが強かったので折れる他なかったのだ。
「大輝くん手伝ってくれない?」
「いくらAさんの頼みでもいやです。」
「遠慮しないで。ほら!」
「じゃあ写真一枚で考えます。」
「悪用するつもりか。」
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Toua(プロフ) - 月乃さん» なるほどっ!そういう事でしたか……いや、本当に凄いですねっ!これからも楽しみに読ませてもらいますっ!!! (2019年10月30日 23時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - Touaさん» ご指摘ありがとうございます!降谷さんの一人称なのですが、原作では緋色回の赤井さんに向けてを除くと基本的に僕のようなので、一応そちらに寄せていました。ただ、実際に僕と俺の使い分けに基準があるのかは私もわかってないですね、、笑 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 素朴な疑問を失礼します。降谷零の一人称って俺じゃないんでしょうか?(間違ってたらすみませんっ!) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 20fc080c4b (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - yuzukiyyy2さん» コメントありがとうございます!正直まだエンディング決めかねているので、じっくり見守っていただければ嬉しいです! (2019年6月15日 17時) (レス) id: 34cc67c93b (このIDを非表示/違反報告)
yuzukiyyy2(プロフ) - 大輝くんと夢主の恋が気になる....!! (2019年6月15日 16時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月乃 | 作成日時:2019年6月2日 3時