四刻 ページ6
あれから数日後、私は仕事をほっぽってゴンチャロフ君の所に来ていた。
侍従長からなら何か情報を聞き出せるかもしれない(建前)
ついでにゴンチャロフ君が入れた美味しい紅茶も飲める(本音)
洋楽が流れる彼の部屋は少し耽美な雰囲気がして落ち着く。
「貴方の煎れる紅茶は美味しいですね」
温かい紅茶は露西亜の寒さ故に有り難い。
イ「光栄です」
目を伏せてゆっくりと紅茶を注ぐ彼は１枚の絵画のように美しい。
「(死の家の鼠の顔面偏差値の高さ…)」
特に頭目は顔だけにあらず雰囲気も凡てが綺麗だからな…
犯罪者じゃなければ惚れてた。
「どうぞ」というゴンチャロフ君の声がしたと思ったら目の前の紅茶の前に可愛らしいクッキーが置かれた。
「わー…！クッキー？これゴンチャロフ君が焼いたの？？」
私が目を見開いて尋ねると
「ええ、少し時間があったので」
と彼は少し自慢気に、かといって気取らないように笑って見せた
「すご、」
ゴンチャロフ君のポテンシャルの高さに感心しつつ私はクッキーを口に運んだ。
この人、不気味だけど悪い感じはしないんだよな…
頭目大好きだし。
まあ、心の底から馴れ合うことは出来ない。
敵同士なんかじゃなかったらな…
いつか、、、＿＿
其処迄考えたところで私ははっとした。
いやいや 、何考えてるんだ私…そんなことはあってはならないのに…
私は特務課
悪徳異能力者を取り締まる正であるべき存在…。
悪か…悪ってなんなんだろう…。
イ「Aさん？？」
声を掛けられて前を向くとゴンチャロフ君が心配そうに此方を見ていた。
その時も焦っていた、直ぐ焦るのは私の悪い癖だと思う。
「っ＿あっごめん！私仕事やり忘れ思い出して！！頭目に怒られちゃうから帰るね！！！」
ゴンチャロフ君の僅かに心配そうな顔が苦しくなって、咄嗟に此処から離れたくなった。
ご馳走さま！と云ってドアを開けてゴンチャロフ君の部屋を出た。
特務課として、潜入捜査官として、此の死の家の鼠を潰さなければ……＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
No，side
薄暗い廊下を走り、落ち着き無く自室に戻るAを物陰から見ていた人影が一人＿…
ド「……」
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かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…応援してます！ (2022年12月22日 4時) (
レス) @page41 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お話がどタイプです!!!!ぜひ続きをよろしくお願いします*_ _) (2022年8月22日 19時) (レス) @page39 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
へべ(プロフ) - とても丁寧な文章で面白かったです、更新を楽しみにしています。 (2022年8月16日 23時) (レス) id: 1ff279b551 (このIDを非表示/違反報告)
八雲(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2022年6月3日 23時) (レス) id: 3aff7205f2 (このIDを非表示/違反報告)
涙の道化師 - この作品はドスくん推しですか？ (2022年4月25日 14時) (レス) id: 2537f89477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：独裁道化師 x他1人 | 作成日時：2021年10月17日 23時
