二十九刻 ページ32
辺りに薄い霧が浮かんだ
こんな室内に霧？
明らかにおかしいと思い、澁澤から少し距離を取る
然し彼は依然として余裕そうに不気味な笑顔を浮かべていた
霧が濃くなると同時に体に違和感が伝わった
否、それは刹那のものでさして感じた程では無く
違和感はどちらかというと横から注がれる殺気にあった
すかさず懐から拳銃を取り出す
殺気を向けた正体を見て驚いた
それは影のようで、赤い宝石が額と思しきところに煌めいている
「私………？？」
その影は私の姿をしていた、これが澁澤の異能
「成る程…自分の異能と対峙させるって訳か…」
その影は迷わず私めがけて襲ってきた、相手は武器を所持しており持っているのは私と同じ拳銃だ
影の攻撃は私の者よりも格段に強く、撃ったり体術であったりで何とか凌いでいると私の異能力、白夜のようにその影の姿が突然変わる
その姿は旧友や安吾さん等代わる代わる私の攻撃したくない人に変わった
それを見た私の動きが少し鈍ったのを確認した影は私に蹴りを入れた
それが鳩尾の良いところに当たり、動けなくなる
そして影の姿は私の心を弄ぶようにラスコーリニコフに姿が変わる
「っ……趣味の悪い…」
そうしてラスコーリニコフの影は私に銃を向ける
が、その影は私を打ち抜く前に消えた
澁澤の方を咄嗟に見ると
澁「このまま君を害して、結晶の色を確かめるのも良かったが…彼に怒られてしまうからねぇ…？」
そう言って澁澤はクツクツと喉を鳴らして笑っていた
ぼんやりとした頭で周りの音を一生懸命拾っていると、何処かから人の歩いてくると音がした
澁「噂をすればだ…」
その音はこの部屋に繋がる扉も無いような暗い廊下からで
私は目をこらしてその廊下の深淵を見つめていた
そしてそこに人影が現れ出す
その人物もまた、澁澤と同じく白い服を着ていた
「…？？」
戦闘での疲労で目がぼやけてよく見えなかったのでその人物が誰かは分からない、然し全身に鳥肌が立ちその人物から逃げろと体が警告していた
ドス「全く…あり得ません」
「え…」
その声に驚愕した
「何故…此処に…？？」
今すぐ泣き出したいくらいだった、真逆こんなに早く
しかもこんなに無防備な状態で再会することになるなんて…
「ドスト…エフスキー……！？」
彼は只此方に近づいてくる
ド「会いたかったですよ…Aさん？」
彼は美しい赤紫色の瞳を瓜のように歪め、恍惚と此方を見ていた
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かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…応援してます！ (2022年12月22日 4時) (
レス) @page41 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お話がどタイプです!!!!ぜひ続きをよろしくお願いします*_ _) (2022年8月22日 19時) (レス) @page39 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
へべ(プロフ) - とても丁寧な文章で面白かったです、更新を楽しみにしています。 (2022年8月16日 23時) (レス) id: 1ff279b551 (このIDを非表示/違反報告)
八雲(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2022年6月3日 23時) (レス) id: 3aff7205f2 (このIDを非表示/違反報告)
涙の道化師 - この作品はドスくん推しですか？ (2022年4月25日 14時) (レス) id: 2537f89477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：独裁道化師 x他1人 | 作成日時：2021年10月17日 23時
