二十七刻 ページ30
私の通常業務は書類仕事、
「お疲れさまです」
すれ違った相手から返事は無い
大の大人がしょーもないことをするものだ。
「はぁ……」
溜息を漏らしながらデスクにつく
後ろから聞こえる笑い声や罵声には耳を傾けないようにしないと。
「……あいつ…また安吾さんと帰ってきたよ…」
「真面目に頑張ってる私達が馬鹿みたいだわ」
「貧民街出身の給料泥棒」
「露西亜で亡くなったって聞いてたのに…」
「特務課にコネで入ったんだろ…？」
政府のお偉いになる人は、どうしてこんなに変な人ばかりなのだろう。
探偵社はあんなにもホワイトな職場だというのに…
それもこれも私が貧民街出身の犯罪者だから仕方が無いけれど
でも流石に幼稚な悪戯や悪口が多すぎる、犯罪さえ無かったら鼠の方がマシだ。
今日も溜息をつきながらパソコンを起動する。
何も考えずに只、文字を打ち込みチェックする
そしてそれを提出
仕事が他の人の分も回ってくることもあるし…なんか、童話のシンデレラにでも成ったみたいだ
灰被りか……
誰か助けてくれたりするのかな…。
でも、これ以上の救済を求めるのは筋違いかもしれない。
だって私、安吾さんに拾われたあの日にとっくに救われたんだから
そうですよね、安吾さん
あの日私は幸せになった、
そう言い聞かせるのはとても容易い事だった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『もう…書類は良いから外回り行ってきてくれないかしら……ごめんね…』
先程上司より告げられた言葉。
意訳:ごめん空気悪くなるからどっかいけ
私の居場所とは…。
まぁ、ドストエフスキーの作戦が行われる前なのだとしたら外回りも丁度良いかもしれない
何か手掛かりを掴まないと…
住宅のT字路を曲がった時、誰かとぶつかった
私誰かとよくぶつかるなぁ…
「すみません」
相手を見るとそれはとてもとても白かった、白いと言うほか無かったのだ
？？「…」
其の人は依然としてその高い身長で私を見下すように見つめてくる
「…何でしょうか…」
その場に緊張感が流れる
此の人は何なんだ、多分カタギじゃ無いことは分かった。目が違う、人を殺したことのある人間の目だ、輝いて濁ったような…憂いきった目
？？「君か…“彼”が言っていた特務課の小娘というのは…」
その瞬間私に手が伸びてきて腕を捕まれる、勿論抵抗したが相手の力が強い。
？？「ついてきて貰おう」
そして意識は途切れた＿＿
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かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…応援してます！ (2022年12月22日 4時) (
レス) @page41 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お話がどタイプです!!!!ぜひ続きをよろしくお願いします*_ _) (2022年8月22日 19時) (レス) @page39 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
へべ(プロフ) - とても丁寧な文章で面白かったです、更新を楽しみにしています。 (2022年8月16日 23時) (レス) id: 1ff279b551 (このIDを非表示/違反報告)
八雲(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2022年6月3日 23時) (レス) id: 3aff7205f2 (このIDを非表示/違反報告)
涙の道化師 - この作品はドスくん推しですか？ (2022年4月25日 14時) (レス) id: 2537f89477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：独裁道化師 x他1人 | 作成日時：2021年10月17日 23時
