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二十刻 ページ22

Aside

久々に外に出た、前回の出張任務が三ヶ月前だから多分それっきり…

辺りは少し木々に囲まれていて、基地は余り目立たない

ローヂャと合流した後再び二手に分かれた、彼には裏手から出て貰うことにした
何故なら此方には多分彼奴が居るから
私が囮になる…

只、かすかに焦げた匂いがする
その火を消しに恐らく人が集まるだろう


ド「遅かったですね」


「やっぱり…待ち伏せしてたんですね…」


ド「ええ、貴方のような優秀な(人材)をみすみす逃がすわけには行かないでしょう?」


「貴方は此処で死ぬか僕に協力するかのどちらかです」と彼は続ける

肌寒い空気が緊迫感に拍車をかけたその会話は、一言一句に命の賭けられた尋問のようでもあった。


「もう遅いですよ」

私は震えた声を抑えて彼に云う

「私は定期的に本部へ連絡しています…貴方方のアジト、作戦、犯罪の裏はすでに周知の事です」


ド「ふふ…やはり恋人に連絡しているというのは嘘でしたか…えぇ、其れは大変分かり易い嘘でした」


未だにニコニコしているドストエフスキーは懐から拳銃を取り出す


私はゴクリと喉を鳴らす


私に銃口が向いた


普段なら自分の銃で相手の手を打ち銃を落とすのだが
彼はその行動をすれば何の迷いもなく私の脳髄を打ち抜く

「はは…こんな所で殉職するなんてね…」


ド「言い残すことは其れだけですか?」


「もう無いよ…何も…嗚呼そうだ、ローヂャ…厭ラスコーリニコフは私が脅して手伝わせた
彼奴に罪はない、許して、殺さないで欲しい…」



ド「最後まで他人の心配ばかり…



やはり貴方は“彼女”に似ている…」


「え?」


ド「いいえ、違いますね…彼女は居ない……____説却、Aさん。さようなら」


大きな発砲音が鳴り響く、そして肉や服を貫く音が聞こえる



然し不思議と傷みが無い



目を開くと見覚えのある青年が倒れていた



「え…ローヂャ…???」





ラ「…A……。」


目の前の状況を瞬時に理解した

「なんで!裏から逃げてって…!?」


大動脈から心房にかけての血管が撃たれていた、血が止まらず無駄だと分かっていても押さえ、止血を試みる

ラ「お前がドストエフスキーに先回りされたらどうしようもないことくらい気づいてた…、、だから………___」


其所で彼の声は途切れた



余りにも不完全な、何とも釈然ともしない


紛れもない“死”が其所にあった



ド「邪魔が入りましたが、、次はあなたですよ」

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かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…応援してます! (2022年12月22日 4時) (レス) @page41 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お話がどタイプです!!!!ぜひ続きをよろしくお願いします*_ _) (2022年8月22日 19時) (レス) @page39 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
へべ(プロフ) - とても丁寧な文章で面白かったです、更新を楽しみにしています。 (2022年8月16日 23時) (レス) id: 1ff279b551 (このIDを非表示/違反報告)
八雲(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2022年6月3日 23時) (レス) id: 3aff7205f2 (このIDを非表示/違反報告)
涙の道化師 - この作品はドスくん推しですか? (2022年4月25日 14時) (レス) id: 2537f89477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:独裁道化師 x他1人 | 作成日時:2021年10月17日 23時

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