十三刻 ページ15
DEADAPPLE、それは死の
その事件は余りにも無情だった
異能者だけを狙った大殺戮
其れは主犯澁澤龍彦の異能が起こした最悪の事件。
彼女は一足早く、その概要を知ってしまった。
ド「どうかしました？顔色が悪いですよ…？」
笑いながら人の心配をする此の男は、此の作戦の首謀者なのだ。
「いえ…此の作戦…」
なるべく焦りが悟られないように取り繕いながら聞く
ド「嗚呼…素敵でしょう？」
彼から発されたのは想像を絶する最悪の言葉だった、素敵…？人が死ぬのに…
ド「分かりませんか…？異能力者は罪なのです、その罪を取り除くためにはその作戦と…
滅茶苦茶な理論だった、全く理解の出来ない考え何故異能者を憎むのか
私は書類を見て澁澤の異能に目を留める。
「なるほど、、、」
異能者を異能で殺す霧…
何故ドストエフスキーが異能力を憎むのかは分からないが…澁澤龍彦という異能者の異能なら異能力者を取りのぞける、と言う訳か…
此の作戦を成功させるわけにはいかない、…安吾さんに伝えないと
顎に手を添え考え込んでいると、
ド「浮かない顔ですね、人が死ぬのが辛いですか…？」
慈悲深い赤紫色の目が私に向く
「まぁ…私も人間ですから…」
すると不思議そうに笑い
ド「そんなことを思うのは此処では貴方だけですよ…他人が死ぬのが恐いというのは集団心理で在り貴方の意見ではありませんし……
考えてみて下さい？本質に気づいている人間は、余程人間らしく自分のために生きるものです。」
平然と述べられたその理屈はどうも可笑しなようで何処も可笑しくは無い気がした、
誰が死のうが、一つの生き物が生命活動を終えたにすぎない。
でも、其れが理不尽に奪われて良い理由には、ならない、絶対になってはいけないのだ。
だって彼なら、恩人“達”ならそう考えるはず、
「作戦は遂行します…でも、人を慈しんだって良いでしょう…」
と言うと「えぇ、」と余裕のある返答が来た
ド「全て貴方が決めることです、あとは神の導かれる運命のままに…」
そうしてドストエフスキーは黒い外套を靡かせ、ドアのある方向に消えて行った
パタリというドアの音だけが寂しく響いて、
涙が出た
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かな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです…応援してます！ (2022年12月22日 4時) (
レス) @page41 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
リリ - お話がどタイプです!!!!ぜひ続きをよろしくお願いします*_ _) (2022年8月22日 19時) (レス) @page39 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
へべ(プロフ) - とても丁寧な文章で面白かったです、更新を楽しみにしています。 (2022年8月16日 23時) (レス) id: 1ff279b551 (このIDを非表示/違反報告)
八雲(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2022年6月3日 23時) (レス) id: 3aff7205f2 (このIDを非表示/違反報告)
涙の道化師 - この作品はドスくん推しですか？ (2022年4月25日 14時) (レス) id: 2537f89477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：独裁道化師 x他1人 | 作成日時：2021年10月17日 23時
