あの、距離が近いです角名くん。【角名倫太郎】

距離 32 ページ33

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｜角名side｜









「好きです！！付き合ってください！！」









そう、目の前に立つ人に言われる。









相手はなんかクラスの人が隣のクラスの子可愛いよなーとか言われてた女子。こんなこと言ったら誰もが羨ましがるだろう。








でも俺には好きな子がいる。その子がいるって分かってて言ってるのか分からないけど。









「…ごめん。俺好きな人いるから気持ちに答えられない。」









と、きっぱりと言うとその子は少しビクッとして、苦笑いをした。









「…そうですか分かりました。」









なんだか悲しげな表情で笑う彼女を見ると申し訳無くなる。せっかく勇気を出してくれたのに。







「…ごめん。」









その言葉しか出てこない。









「謝らないでください！！好きな人と付き合えるといいですね」


「必ず付き合って見せるから。」


「ふふっ、応援してます。幸せになってください」









そういうと、目の前の子は涙目になりながらも優しく笑った。









「では、ありがとうございました。付き合わないと怒りますからね」




「え」









と立ち止まる俺を置いて、走ってどこかに行ってしまった。









幸せか、俺もなれるかな。









…盗み聞きしてる悪い子を捕まえに行きますか。









今日も俺は距離を近めで話す。









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