あの、距離が近いです角名くん。【角名倫太郎】

距離 21 ページ22

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中庭に着いたけどあまり人がいない。少人数がお好みの私にとっては好都合だ。









「今日A弁当なんだね。」



『いつも作るの面倒くさくてパンだけどね。今日は購買来ないから早く起きて作った。』









いつもお母さんがご飯とか作るけどさすがに朝早く起きて作らせるのも申し訳ないので私が早く起きて作ってる。こう見えて料理は得意な方…と思いたい。









「え、作ったのすご。美味しそう」






と角名は焼きそばパンやら菓子パン幾つか食べながらも私のお弁当の中身を見る。









『…ちょっと食べる？味の保証は無いけど。』





あまりにも目を輝かせてる子供みたいな目で言うのでそう声をかけてしまった。いつも見ない顔してるしたまにはいっか。









「まじで。じゃあ卵焼きちょうだい」





『はいよ』









と卵焼きを箸で取り、角名の器代わりに自分の弁当の蓋に卵焼きを乗せる。






「あ」









と不思議そうな顔をして口を開けながらいつも通り距離近めで待ってる角名。








まるで待ってるかのようにこちらに向けて口を開けている。もしかしてこれは…









『食べさせろってこと？』




「そう。」









と口を開け続ける角名。え、ちょっと待って待ってあーんしてるってことしんど。






少し恥ずかしながらも周りを見て誰もこちらを見てないかを確認して角名の口に卵焼きを食べさせる。









「ん、美味い。A料理上手じゃん」









口の周りをぺろっと舐める角名。そこがなんだかかっこいい。









あの神様。心臓足りないので私にもう少し心臓ください。









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