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k「それは…大変だなぁ…。」
こんな言葉しか出てこないなんて自分でもびっくりだ。
f「他人事じゃないんだからさぁ…」
呆れてるけど優しい顔。あぁこんなところが好きなんだよな。なんて久しぶりに考えた。大丈夫。場違いなのは分かっている。
f「河村は帰って休みな?」
k「えっやだ。」
流れるように口から出た言葉は別に本心でもなくて、何となく抗いたかった。それだけのことで
f「は?」
k「……え」
声低っ…
f「ねぇ伊沢ー!」
I「はいー」
f「河村熱あるから帰らせてもいいー??」
I「いいーですよ〜」
f「ありがとう!俺も半休取らせてもらう!」
I「はーいお大事に〜」
おかしい。絶対におかしい。ふくらのあんなに低い声なんて聞いたことないなぁ…なんて思っていたら、帰宅することが決まっているなんて。
f「河村〜行くよ〜」
k「え?いやちょっと待ってよ」
f「えぇ?」
えぇ?じゃねぇよ。なんて心で悪態をつき、
ふくらを睨む。
f「はぁ…帰らないとでも言いたいの?」
k「うん。僕は大丈夫だから。気にしないで。」
f「いやいや河村、考えてみなよ。風邪だったら周りに移して罪悪感で押しつぶされるのは河村でしょ?軽いうちから休んでおいた方が良いんだって。」
…ぐうの音も出ない。全て正論だし
『罪悪感で押しつぶされる。』なんていつもの僕そのものだ。まぁ上手く丸め込まれた気もするんだけど。
結局は僕が折れて家に帰ることになった。
………ふくらと共に。
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作者名:めろんぱんあいす | 作成日時:2020年11月12日 21時