.*.意義素.*. (ページ2)

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ふくらとの会話は1時頃であった
なのにいつの間にか7時を過ぎてしまっていて、
進行度も中途半端だし今日も泊まりかな｡なんて思いつつ,またパソコンに向かう｡
まだこんな時間なのに眠い。だが寝る訳には行かない。自分の体にムチを打ち編集を続けた。

はっと目が覚める｡寝落ちしてしまったようだ。
これではいけないと、勢いよく起き上がる･･･
がおかしい。寝る前まで操作していたパソコンが無くなっており,自身には毛布がかかっていた｡
軽い混乱状態に陥っていると「ガチャ」と後ろで音がする。

「あぁ起きたんだ」
聞き覚えのある声。大好きなその声の持ち主はもちろんふくら。ふくらは片手にマグカップを持ちながら部屋の中に入ってくる。
f「編集は俺がやったから。もっと休みなさい｡」
心做しか少し怒っているような口調に感じる。

彼は怒っているのだろうか。彼は今日は早く帰りたいと言っていた｡なのになぜ僕のためになぜ定時後まで残ってくれたんだろうか。いくつかの疑問が頭の中を駆け巡る。

k「ふくらはさ…怒ってる…？」
1番初めに抱いた疑問が勝手に口から零れていた｡
f「もちろん…多少は｡大切なメンバーがこんなに追い詰めて急ぎでもない仕事をしてて｡心配になるじゃん｡」
間髪空けずに答えが返ってくる。

そっか｡彼にとってはただの"メンバー"か。
わざわざ僕のために残ってくれたんだから…
なんて勝手に期待して勝手に落胆して馬鹿みたいだ。

k「そっか…ごめん…。」
唇が震え,目の縁が熱い。きっと僕は酷い顔をしている。
それを隠すように俯くも肩を掴まれ衝撃で思わず顔を上げてしまう。
f「河村どうした…？言い過ぎたね｡大丈夫だよ、？」
k「だ、いじょうぶ…ごめん」
回らない頭からなんとか絞り出した言葉。

僕は気がついたらオフィスから飛び出していた｡
幸いポケットに携帯と家の鍵は入っている。

時間は23時半。ふくらはこんな時間まで残ってくれていたのにも関わらず逃げて来るなんて本当に最低だ。
現実逃避をするようにピコピコなり続けているスマホの通知を切って、家路に着いた。