俺の家には小人がいます。【山下健二郎】

魔法の種 ページ1

明日から完全オフになり、何するか考えながら町を隆二と歩く。


「健ちゃん、何すんの明日から。」


『まだきめてへん。』

黒マスクにメガネと明らかに不審者な俺らを、女の子たちがすごい目でみてくる。


ほんま健ちゃん凹むで。

『隆二は何するん？』


「臣とごはんいって、買い物する」


『ラブラブやな。そのうち結婚しましたとか言われそう笑』


「へっへっへ」

目元だけをにゃんちゅうにして笑う隆二。

かわええなぁ。こいつ。本間に三十路かいな。

しばらく話ながら、道を歩いてると、ティッシュ配りの人がティッシュをくれた。



『ん…なんやこれ。』


ティッシュだと思っていたそれは、小さな袋で。

[魔法の種]って書いてある。


『なんやこれ笑…インチキくさっ』

「えー、俺ただのコスモス。健ちゃんそれすごいラッキーじゃん!!」



『なんや、魔法って。ええ年したおっさんが魔法の種とか痛すぎるわ。』


「嘘だー!健ちゃんめんどくさいからでしょ？」


『ん、まぁそれもある。』


「植えないんだー。花のひとつでもあれば彼女できる可能性もあr」


『わかった。植えるわ。』


渋々種をポケットにしまって、植えようと決意した。


「どんな花か教えてね〜」

なんて目を輝かせてる隆二。

かわええ。ほんま30ちゃうやろ。0一個おおいんや。



鉢植えとかあったっけ？


若干わくわく。

でも俺は、この種に振り回されるとは思ってへんかった。

とんとん。→

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