僕達のティアラ。 (ページ2)

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キミはシンデレラガール？ページ2

朝、心地よい、朝。

私は朝が大好きだ。起きると、やわらかな朝日と共に小鳥のさえずりが聞こえる。1日の始まりからロマンチックな気分になれる。だから1日がんばるスイッチが入る。

お手伝いさんに手伝ってもらって素早く準備を済ませる。

そして長い階段を降りて、

「お父様、お早うございます」

父「お早う、座りなさい」

「はい」

長い長いテーブルの端に私の席。

父「じゃあAも揃ったし、朝食にしよう。と言いたいところなのだが、」

なんだかお父様の顔が曇っている。何かあったのかしら？連日、書斎にこもってらしたから、お仕事のことでしょうか…。

父「実は…最近私が書斎にこもっていたのは、会社が上手くいってなかったからなんだ。そして、とうとう倒産、になる」

え…

衝撃すぎて言葉が出てこない。家族全員固まっている。

父「本当にすまない…！今日から1週間でこの家も、執事やばあや、もろもろ、すべて失うことになる。そして、我々家族はバラバラに暮らすことになる」

「なんですって？…お、お父様、本当のお話ですの？嘘って言って下さい…」

父「嘘じゃないんだA、皆も本当に本当にすまない。私は明日から少しでも早く皆がまた一緒に暮らせるように、海外へ出稼ぎに行ってくる。そして借金を返せるまで待っててくれないか」

お母様もお姉様もお兄様も私も、とても悲しい顔をしていた。でも誰一人お父様を責めずに、ただうなづくだけだった。

それから朝食を静かにただ、静かに食べた。

その後は一人一人、お父様の部屋に呼ばれてこれからの話をした。

「失礼します」

父「A、すまないな。お前が1番この家を大事にしてるのは知っていたよ。でも絶対に取り戻す。だから待っててくれるかい？」

「…ええ、もちろんですわ。取り戻せるなら私も何でもします！」

父「A…有難う。では、これからどう暮らしてもらうか言わせてもらうよ。お前には…」

父「アイドルになってもらう」

「…え？」

アイドルって、あの、アイドル？

父「情けないのだが、私は今お前達を養ってやれない。だから個々で稼いでもらわなきゃいけない。兄さんや姉さんはもうすぐ留学を終えそのまま仕事に就く、しかしお前はまだまだ学生だ。そこで、学生をしながらお前の個性を生かせるのがアイドルなんだ。売れれば金も入る」

私は理解がまだ追いついていなかった。

しかし運命は待ってくれない。