81 追憶/ どうしても ページ31
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__「…どうしてあんな事言ったノ? 師匠」
秘密の部屋で、夏目はひとり思い出していた。
あの子の後ろ姿を。
泣きながら走っていった背中を。
2人を見つけてすぐ話しかけようとしたが、そんな事はしなかった。師匠がAに伝えたい気持ちは痛いほど伝わっていたから。
だからこの質問も意味を成してない愚問に過ぎない。
「おや夏目くん、盗み聞きなんてする子でしたか?」
「…答えてヨ。Aを泣かせる必要があったノ」
「出ている答えを求めようとするのは愚か者のやることですよ」
「っ…」
「…大事な子を泣かせてしまって、夏目くんには申し訳ないと思っています」
師匠の顔には一体どんな表情が浮かんでいたんだろうか。
後ろから声をかけたAには全く見えなかった。
ただ分かるのは、声の抑揚の違いだけ。
( 大事な子だと思ってるのは師匠も一緒のくせニ)
気づいてないとでも思ってるのかな。
大事な子をどう扱ったらいいか分からないから一線引いて、大事な子じゃないフリをする。
零にいさんも師匠も隠しても分かる。
「零が…」
「…」
「零ひとりに重荷を背負わせたくなかったんです。
そして、その零のおねがいを叶える為にはこれが最善策だと思いました」
「…やっぱり他の方法はないのかナ。ボクは本当に零にいさんの指示に従えばいいなんテ、思えなイ……」
だってあんな顔をするくらいなら。
宗にいさん以外の3人へ伝えられた零にいさんのおねがいは、きっと逆効果になってしまうんじゃないかな。
そんなに思い合っているのに。
「ええ。だから夏目くんだけはAのそばにいてあげてください」
「ぇ…」
「あの子は強くて優しくて……とても弱いから。
夏目くんは、あの子の吐き場所になってあげなさい」
振り返った師匠の顔は仮面に隠されて見えなかった。
これは師匠からのおねがいだ。
「夏目、宗くんと奏汰くんに会いたいの」
ゴメン、A。
ボクはキミを止めないといけない。
「…宗にいさんはしばらく人に会えない状態なんダ。奏汰にいさんも家がゴタゴタしてるみたいでネ。
今は落ちつくまで待とウ? Aも忙しいんだかラ…みんなの事はボクに任せてそっちに専念しなヨ」
みんなから遠ざけないと、いけない。
__ これは本当に間違った選択だったなんてこの時は知らなかったんだ。
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かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
