67 追憶/ 約束 ページ17
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放課後。渉くんの演劇を奏汰くん以外の4人で観に行った。
奏汰くんはお家の仕事があるとの事。
渉くんの演劇は言葉を失うほど綺麗で何と言ったらいいか、また分からなくなった。すごい。としか言えないのがむず痒い。
演劇はおろか演技すら分からないAでも、渉くんが飛び抜けてすごいのは身に染みて分かった。渉くんじゃない人がそこにいる、織姫と彦星が本当にいるみたいだ。
「…」
「やっぱり、渉の舞台は素晴らしいね。文句のつけ所ひとつもない。…小僧、そこの馬鹿を元に戻せ」
「…ダメ。昨日も宗にいさんのライブを見てこうなってたんダ、放心してるだけだヨ」
「…フン」
宗くんといい渉くんといい、こんなにすごい人がこの世界にいるんだ。
学院に入った時はちゃんとアイドルしてる人なんていないと思ってたのに。スバルも、がっかりしてたのに。
でもやっぱりいる。宗くんのユニットみたいに魅了するアイドル、渉くんみたいに演技で魅了するアイドルも…。
渉くんのアイドル姿はもっとすごいのかな? 何でこんなにかっこいいんだろう。すごいなぁ、すごい。綺麗でかっこよくて…私もそういう人になりたいな。
「…むい」
「お、よく伸びるな〜この頬っぺた」
「なにふるの、れいせんぱい」
「だあってお前、いつまでそうしてるつもりだよ」
「ヘェ? …あれっ、もう誰もいない? 夏目も宗くんもいないし！」
キョロキョロと見渡しても、いるのは隣に座っている零先輩だけ。
いいから離してよ、と零先輩の手を払う。
「ん、じゃあそろそろ行くか」
「どこ行くの?」
「どこ行きたい?」
「え、決まってないの」
「いや〜、最終的な場所は決まってるんだけどさ。
今日はお前の誕生日だし。どこか行きたい場所とかね〜の?」
「うーん」
渉くんの余韻がひどくて特別どこか行きたい場所が思いつかない。
「あ、じゃあ俺様ちゃんお腹すいちゃった。なんか食い行こ〜ぜ」
「いいよ。でもまって、私立てない」
「はっ? 何でだよ、ほら手」
力が入らなくて立てない。
零先輩が差し出してくれる手を見つめて、Aは首を傾げる。
意味を理解していないことに気づいてか零先輩はため息をついてからAの手首を掴んで引っ張りあげた。
「わ、」
「歩けんの」
「あ、うん。歩ける」
「んじゃ行こ〜ぜ」
何で、手繋ぐの?
いつもなら絶対聞けるのに。
ぎゅっと手を握り返すだけだった。
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かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
