61 追憶/ Valkyrie ページ11
.
.
.
「ばる…? なんて言った?」
「“Valkyrie”！僕の芸術作品を観せようかと思ったが、君には早かったみたいだね」
「え、何、何も分かんないまま話し終わった」
「…宗にいさん、ボクに免じて許してヨ。
Aは少し口を閉じてもらってもいいかナ」
ということで、Aと夏目は宗くんに誘われて講堂に訪れていた。零先輩と渉くん、奏汰くんはいない。
渉くんは明日の七夕に行う舞台のため来ないと聞いているが、他2人は何も聞いていない。
宗くんがAを誘うなんて珍しいが、これには理由がある。
「何で宗くん、いきなり誘ってくれたんだろう。いつもあんなに私に怒ってくるのにさ」
「…明日はAの誕生日だかラ、あの人なりのお祝いのつもりなんだと思うヨ」
「そっかあ」
あまり腑に落ちてないAを横目に、夏目は辺りを見渡した。
さすがはあの“Valkyrie”。講堂に溢れかえる生徒、ファン達。本来チケットは入手困難なため、入口に割り込もうとする生徒がちらほら見える。夢ノ咲学院の頂点を謳う彼らに、Aは一体どんな反応を見せるのだろうか。
( …結構校外のファンが多いナ )
「…め、なつめ、夏目！」
「ウワァ!? な、何…」
「私の話、聞いてる?」
「聞いてるヨ。明日は何をするのかって話でショ。…顔近いから離れテ」
「聞いてたならなんか言ってよ。零先輩、明日空けとけよって言ってたけど…何すると思う?」
「…、さア」
夏目がふてぶてしく答えると、すぐに講堂が真っ暗になる。
同時にあんなにもざわめいていた客席がシーンと静かになった。
( わ、)
3人が、舞台に立っている。
宗くん、みか、あとひとりは誰だろう。
「…」
「夏目、」
「…何」
「あのかわいい子、だれ?」
「子っテ…。あの人は宗にいさんのお気に入りの仁兎なずな先輩だヨ」
「へぇ、かわいいね」
背が小さくて体が細い。まるで女の子だ。
途端、音楽が流れ、3人が踊り始める。
真ん中に立つ宗くんが前にいる2人を操るように手を伸ばし、2人は糸で吊られた人形にように体を動かした。
「…」
( なに、あの動き…)
3人のユニゾンから始まる中で、Aの目はみかに釘付けだった。どう見ても人間の動きじゃない、関節が外れてるのではないかと疑うほど、柔らかく奇妙な動き。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 375人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
