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あの2人、声を揃えて言えば協力してるって思ってもらえると思ってるんだ…。影山がバカなのは身に染みてたけど、オレンジくんも相当だな。
「…負けたら?」
「うっ…」
「どんなペナルティでも受けます」
「ふーん…ちょうどいいや。お前らの他に2人、1年が入る予定なんだ。そいつらと3対3で試合をやってもらおうか」
部長が提案したそれは、2人のために考えた策ではなく、もうやら毎年新入部員に対して行っているものらしい。
( …他に2人、もしかしてあの背が高い2人? )
「── で、お前らが負けた時だけど、少なくとも俺達3年が居る間、影山にセッターはやらせない」
「…は?」
「…」
「?? それだけっ? ですかっ?」
影山に、セッターを…やらせない。
ど、どうなるんだろう、その場合は…。
影山がアタッカーをやるとも思えないし、スタメンから外される? え、影山が? …ていうか私、動揺してる…んだ。
だって、影山が思うようにバレーができないなんて、予想してなかった。
「別に入部を認めないって言ってるわけじゃない。お前なら他のポジションだって余裕だろ?」
「俺は！！セッターです！！」
「勝てばいいだろ。自分一人の力で勝てると思ったから来たんだろ」
「──……！」
「試合は土曜の午前。いいな」
…絶対に、試合に勝たないといけない。
相手が経験者2人、オレンジくんがほぼ未経験の状態で2人。
協調性がない影山が実力でカバーするには、
「Aちゃん！大丈夫?」
「…へ」
「顔、真っ青…」
「ぁ、え、…ど、どうもないです…大丈夫です…」
「…」
とりあえず、影山と話さないと。
ダメなんだって、今のままじゃ…。
「わ、私もう帰ります…！見学させてくれてありがとうございました！お疲れ様です…！」
「うん…気をつけてね」
カバンを持って数人に会釈をした後、渡り廊下のある出口から出て、急いで裏に回った。
そこには追い出された影山とオレンジくん。
「土曜までにお前のクソレシーブなんとかするぞ」
「クソ!? …まあ体育館は使えないけどな…」
「う、オフンッ ん"ん"、明日も朝練は7時からですよねーっ!?」
田中先輩のわざとらしい声が外まで聞こえてくる。
…朝7時から朝練なんだ。
それを聞いた2人は競うように校門に早歩き、ダッシュをし始める。
( …なんか、似てるような似てないような )
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作者名：かげやま
| 作成日時：2024年3月14日 13時
