中学3年生 : 夏・きっかけ ページ27
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「いい加減にしろよッ！」
それは突然だった。
相宮さんと一緒にドリンクを運んでいる時、体育館から怒声が聞こえた。
え、なに…!?
「ご、ごめん相宮さん…ここ置いてくね！」
「はい…！」
走って向かえば、勇太郎と影山が向き合ってそれを囲っている図が。
「ちょ、っと…！どうしたの!?」
「美咲…あ、おい、間には入らない方が」
「俺らはお前の道具じゃねぇんだ！」
「道具になってんのはお前らだろ。いつになったら本気でやんだよッ…」
「なんだと?」
「落ち着いてよ！何でこんな時に…もうすぐ大会なんだよ！」
勇太郎の方に寄って影山を視界に入れないようにするも、あまりの迫力に怯んでしまいそうだった。
ていうか何で顧問は何も言わないのよ…！
「言い合いしてもしかたないから」
「Aはどうせ試合に出ねぇからそんなこと言えんだわ」
「…！」
「ちょっと金田一、言い過ぎ」
分かってる。勇太郎もハイになってるんだって。
マネージャーは選手とは違うって。
…分かってた、けど。
ズキ、と頭が痛む。
「…それと、これとは話違うでしょ。私のこと邪魔石に見えてるかもしれないけど…」
「え…」
「鼻血…！誰かティッシュ！」
やばい。フラフラする。
鼻血が出る鼻を手で抑える。
目の前には焦った顔の勇太郎がいて、気が抜けて倒れそうだ。
_ 最悪。確かに今日は体調悪かったけど。頭痛かったけど！
フラと力が抜けて膝から崩れ落ちた。
「!? おい、美咲」
「ごめ…」
「しっかりしろ！」
床にぶつけて痣ができることはなく、後ろにいた影山が支えてくれた。
ごめん、変なことになって。
「…ご、めん。練習、して…」
「！」
「…っ、悪かった。A、ごめん…あんなこと言ってごめん…！」
影山の体温はいつもながら温かくて、もう面倒くさくなって意識を手放した。
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作者名：かげやま
| 作成日時：2024年3月14日 13時
