中学2年生 : 冬・ギスギス暖房器具 ページ21
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冬の大会に向けて練習試合が増えた。
と、同時に影山とメンバー内でギスギスすることも、増えた。
現に今も影山と折爪くんが
「Aパス上げらんねえなら高くしろ」
「…わかったって」
「本当に分かってんのか！何本も低いカットしてんじゃねえよ」
「…」
「折爪！」
…影山、言葉遣い強くなったなぁ。
言いたいことは分かる。上がったボール次第で攻撃の範囲が変わるから、少しでも囮として機能してくれればいいのに、折爪くんはスパイクモーションにも入らない。それに対してイライラしてるんだ。
折爪くん、攻撃入ればいいのに…。
その場は何とか勇太郎が宥めて終わったけれど、終始影山はメンバーに腹を立ててる様子だった。
練習試合が終わった後、
「…影山、イライラしないで」
「ッ、あいつ…！あいつが打つ気なかったせいでブロックに捕まりまくった！」
「その分コース分け練習になるんだからいいんじゃないの?」
「相手ブロックの判断が遅くなった方がいいに決まってる」
「…それは、そうなんだけども。言い方っていうのがあると思うよ」
私だってレフト1本だと見きわめられてドシャット食らうよりも、攻撃の選択肢が増えるようなバレーをした方がいいって思ってる。
言い方なんだよ。全部。
折爪くんは影山の強い言い方が嫌なんだよ。
「なんで、諦めるんだ」
タオルを握る影山の姿を見てしまえば、私はもう何も言えなくなってしまった。
「折爪くん、」
「ん?」
「あの…影山も悪気はないから、」
「いいよ。あいつ、“そういう”性格だし」
…鼻につく言い方。
「…聞いてもいいかな。何で攻撃入らなかったの?」
「…」
「責めるつもりはないんだけど…気になって」
「…理由なんてあるわけないじゃん。入りたくなかったから入らなかっただけ」
「あ、そう」
できるだけ優しい言い方をして聞いたつもりだったけれど、折爪くんの癪に触ったらしく、少しムッとした表情でそう言われてしまった。
( エーー、だったらスタメン代わりなよー… )
影山の言い方が悪いのは分かる。
…分かる、けど。1番練習してて実力がある影山の意見も聞かないのもどうなの?
ダメだ、私までイライラしちゃったら間を保てなくなる…。
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作者名：かげやま
| 作成日時：2024年3月14日 13時
