友達がライバーになった話。【hbr】

悩む男の子 ページ45

.




.





.

「ダメ。迎えに行く、解散する時連絡して」


雲雀のその一言に、3人で目を合わせた。
部屋に入るなり突然何を言い出すんだ。

当の本人は少しムッとしながら電話を切る動作をする。


「どうしたの雲雀」

「綾瀬が飲みに行っててさ、迎えに行くって言っても断るから」

「え、重。えなに、付き合ってる?」

「付き合ってないって。友達！」

「友達ってそこまでしなくねー…?」


奏斗がうげーみたいな顔して言うと、雲雀は首を振った。


「意外と危なっかしいとこあんの。人のお願い断れなくて変なやつについてくかもしんないし、マジで心配なんだって」

「それさー、あやせさんからしたら大分おせっかいじゃない? 別にひばは彼氏じゃないじゃん」

「…」

「その顔は、自分でもそう思ってるんですか」

「…やっぱ俺めんどくさい?」


正直のところ、雲雀のあやせさんに対する反応や態度は友達以上の何かを感じてしまうとは思っていた。

特に今のような言動。自分が知ってる『友達』はただ話したり遊んだり、わざわざ相手の意志を押さえつけて迎えに行くようなことはしない。


「雲雀はさ、あやせさんを友達だと思っててそういうことするの? それとも特別だから?」

「…それは、」

「もしあやせさんがいい加減にして！雲雀は私の彼氏じゃないでしょ！って言い出したらもうやめるの?」

「やめる。綾瀬が嫌だって言うなら」

「でもさっき断られても押し付けてたよ」

「嫌だとは…言われてない」

「言えないんだとしたら? あやせさん優しいから」


マイクラで関わるようになる前から、ライバーになる前から、あやせさんが底抜けなしに優しいなんて知っていた。

そんでもって、雲雀がここまで人に執着しないことも知っている。


「…う、分かんねえ！俺、綾瀬のこと考えたら心配が勝つから」

「じゃあ手っ取り早いのがあるよ。そうやってモヤモヤする必要もなくて、あやせさんを困らせないようにする方法」

「え、なに…」

「雲雀があやせさんの彼氏になればいいんだよ」


俺の言葉に目を丸くする雲雀の後ろで、

「セラよく言った」「言い回しがすごいな」と笑う2人。


「雲雀のそれは、世では“好きな人に対する思考”って言うんだよ」






.

君が好きだとか→←あやせのサブ垢

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す