友達がライバーになった話。【hbr】

12月某日 ページ31

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「あ、雲雀」と口にしようとして、すぐにやめた。

周りにいる人たちを見たら誰だってそうするだろう。
雲雀がデビューして4ヶ月くらい。わざわざ友達だって公言するのもどうなんだろうと思っていたら、すっかりタイミングを逃したまま4ヶ月が経っていた。

そしてこの前、それは雲雀があっという間に打ち砕いた。

私の2周年お祝いをタメ口でツイートしたことによって。
「ごめん！迷惑だった?」なんて謝られた。

迷惑なのはそっちだと思ってたよ。(笑)
とは言えなかったので、「大丈夫！」と適当に返したけど。


( VOLTACTIONの人たちと、打ち合わせかな )


もうすぐ何かあるのかも。


「あやせさんだ」

「えっ」

「あ、やっぱりそうだ」

「せ、セラフくん…」

「…雲雀に何か用事でもありました?」


てっきり一緒にいると思ってたセラフくんが反対側から来た。


「たまたま雲雀見つけたから声かけようと思ったんだけど、忙しそ」

「A！」

「…うだから、」

「見つかった」

「だね(笑)」


雲雀がかけ足で近寄ってくると、後ろからも他の2人が追ってきた。
あれ、このままだとVOLTACTIONに囲まれるんじゃない?


「よ！なんかAの声聞こえると思ったわ！」

「地獄耳か」

「セラ夫と仲良かったっけ?」

「マイクラでよく会うんだよ。あ、この前教えてもらった図書館見に行った！すごかった…(笑) 感動しちゃった」

「配信見ました。すごい褒めてくれるから嬉しかったですーw」


そう言って花を撒き散らすセラフくんに、雲雀が「褒めてもらってよかったなーセラ夫！」とさらに褒め倒す。

( …なんか、大きいな )
並ばれると余計。


「おい雲雀！いきなり走るなっての」

「まあ、原因は分かりますけどね。こんにちは、綾瀬さん」

「あやせさんこんちは！」

「こんにちは〜。話し合いの途中じゃなかった?」

「いや全然！ちょうど終わって立ち話してましたよ。
…なんか、あやせさんちっさいッスね！」

「…(笑)」


すっかり囲まれてしまっているけれど、これが平均180cmの集団かぁ。
奏斗くんとは直接会うのが初めてだからそう思われるのも無理はない。四季凪くんなんて絡みすらないのに。


「みんなが大きいんだよ(笑)」

「すみません、奏斗が失礼なこと…」

「よく言われるから失礼なんて思ってないよー。四季凪くんだよね? 声かっこいいって思ってたんだ」

「恐れ多いです…」

「なぎちゃん照れてる」

「黙らっしゃい！」




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