友達がライバーになった話。【hbr】

▼ ページ18

.




「でぇ、超うっざいの〜彼氏！」

「それはムカつくな〜」

「でしょお!? も〜A分かってくれてうれしーい」

「私は彼氏のことよく分かんないけど、それは彼女に対する態度じゃないよね」

「そうそうそうっなの！」


時刻は21時過ぎ。ダンスサークルの子たちはダンス部の子らとはあまり違いがなくて、すぐに仲良くなれた。

月2で彼氏持ちの愚痴大会のために飲み会が開催される。

( そろそろ終わりそうかな )
と酔いつぶれそうな子たちを見て思った。

雲雀に連絡入れとこ。


「…んー、Aはさァ、何で彼氏作んないの?」

「え?(笑)」

「だってダンス上手くてぇ、学園祭でもAちゃーん！とか言われるくらい男子にも人気だよ? 言い寄られたこともあるでしょ」

「まぁ…なくは、ない」

「こーんなにかわいくて優しくて選び放題なのに！」

「…(笑)」


彼氏。好きな人。恋。

初恋はとうの昔に終わってるし、高校生の時も彼氏はいた。
だけど長続きしなかった。

( …何で、)


「もしかして、好きな人でもいるの?」


喉が、キュってなった。


「いない…」

「そっかぁ〜〜」


友達が肩に寄りかかってくるところで、サークル長の「お開きにしようかー！」が聞こえて安心した。

私は自分の程度を知っているし、これから雲雀に会うからと全然飲まなかったけど、友達はべろんべろんだ。

そんな彼女たちを支えながらタクシーまで運んで、お金を渡す。


「じゃあねぇA！アンタも早く彼氏作りなよォ！」

「(笑) 気をつけて帰って。…じゃあお願いします」

「はい」


バタンと閉まるのを見て、タクシーを見送る。
明日から休みでよかった。


「A、」

「っ！…くりしたぁ…」

「お待たせ。ここで待ってたの?」

「いや、今友達タクシーに入れたところだった」

「そか！じゃあ帰んべ！」

「ごめんね? 配信遅くなるでしょ、ツイート見た」

「気にしなくていいって。俺が送るって言ったんだし」


来た道を戻ろうとする雲雀から、ふわっと香水の匂いがする。


「…そういえば今日何かあった?」

「あー、カラオケ行きたかっただけ！」

「なんだ、当たってた(笑) 実はあのメッセージ見る直前に飲み会誘われたんだよね」

「え、普通に悔しいんだけどw」

「今度は雲雀優先にするね」

「…、ん！」

「(笑) うれしそうだねぇ」


やっぱり、彼氏は作る気起きないや。

雲雀といる方が楽しいって思っちゃうから。




.

【切り抜き】コミュ障の葛葉とコミュ強のあやせ【にじさんじ切り抜き】→←友達との方が楽しい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す