友達がライバーになった話。【hbr】

7月の初め ページ12

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「A?」



聞き馴染みのある声で名前を呼ばれた。



「…、ひ…」

「よ！久しぶり〜」

「え、わたらいひばり…?」

「www 混乱か、さすがに」

「え、何でいる?」


事務所へ出向いた日。自販機の前で飲み物を選んでいると、横から雲雀が覗いてきたから体が固まった。


「俺、にじさんじのライバーになった」


いつもの明るい笑顔が視界いっぱいに映る。
なぜか、その姿があの時と被って。


「…い、いらっしゃい?」

「Aはこれから打ち合わせなん?」

「うん」


大学にいる時にメールが来たと思えば、打ち合わせの連絡だった。
案件の話があるから来てほしいと。

その打ち合わせで飲むための飲み物を選んでいたのだが、なんだか買う気が失せてやめた。


「何時に終わんの?」

「えーどうかな。予定では30分くらい」

「お！じゃあ待ってるわ！一緒に帰ろうぜぃ」

「いいね」


どうしてにじさんじに? そんな話してなかったのに。
と思うものの、いつも通りに接してくる雲雀のせいで私までいつも通りの会話に持ってかれてしまった。

( 帰りの時にいろいろ聞こう )


「綾瀬さーん」

「あ、行ってくる！」

「ん、がんばってな〜」


雲雀は、私の中で友達だと収めておくにはあまりにも存在がデカすぎる。

だけどきっとこれは恋でもない。


( …また、一緒にいる時間長くなるんだ )





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