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「ここでドリンク作ってね」
「あ、はい…」
「体育館の床濡れると困るからドリンクの水気切ってから中に運んで」
「分かりました」
ハキハキと話す白鳥沢マネ先輩。
慣れてるなあ…。強豪校ってなると仕事ができる人間しかなれないのか。ウチも一応強豪校なんだけどね。
指も細いし綺麗だ。髪の毛結んでてもトゥルンって艶が分かる。進学校の女…やっぱりしっかりしてる〜。
北一なんか男と絡んでるだけでグチグチ言ってくる低脳しかいないのに。
いやこの人以外がどうかは分からんけど。
「1年生だよね、先輩はいないの?」
「はい、マネージャーは元から私しかいなくて…」
「え〜大変そう。3人でも大変なのに。すごいね」
「まあ、全員が同じメニューじゃないので」
「そっか」
そこから何となく雑談をして、体育館に戻った。
ほかのマネージャーについても教えてくれてこのマネ先輩は2年生で1番下らしい。
「そっちの及川先輩すっごいイケメンだよね」
「え!? 分かります!!」
「いきなり声おっきくしないで…」
そう言って耳を塞ぐ先輩に謝る。推しが褒められたので嬉しくて盛り上がっちゃった。
「牛島さんもかっこいいけど系統が違うイケメン…あ、私は牛島さんの方が好きだよ」
「うしじまさん?」
「知らない? “ ウシワカ ”って言われてるんだけど…」
「ああ!ウシワカもイケメンなんですか? それはぜひ見たい」
「Aちゃん、牛島さんのこと知らないんだ。
意外だなぁ。わりと有名だと思うよ」
「へえ」
白鳥沢について熱弁していた先輩と同じことを言うマネ先輩。
やっと付近の立地を覚えた私にとっては他の中学校の有名人を覚えることができなかったのだ。
( イケメンなら早く知っとけばよかったな )
「あ、」
いきなり立ち止まった先輩の目先、
「どうしたんですか?」と釣られて見れば、
「探していた。試合を始めるぞ」
「あ、はい!すみません」
「…?」
誰だ、と言いたげな顔で私を見る彼。
私は反射で笑って会釈をした。
「北川第一のマネージャーです。今日はよろしくお願いします!」
「ああ…よろしく」
── 恐らく、ウシワカだ。
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かげやま(プロフ) - youyuetaozeさん» コメントありがとうございます。嬉しいです!更新頑張ります。 (2021年6月29日 13時) (レス) id: 3166492125 (このIDを非表示/違反報告)
youyuetaoze(プロフ) - 好きです! (2021年6月17日 9時) (レス) id: d01cf80ca9 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - ogofumiさん» 二度目のコメントありがとうございます(;;) 本当に更新頻度が遅くて申し訳ないです……。読んでくださってありがとうございます! (2021年2月17日 23時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 更新、嬉しいです!無理のない範囲で頑張ってください! (2021年2月17日 22時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - ogofumiさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります(^^) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かげやま | 作成日時:2020年4月27日 19時