【名探偵コナン】隠れてる子の話。IV

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「そういえば、安室さん彼女いたんですね」

「…」

「コナンくんが言ってましたよ。ドライブデートでも目ざとい子には見つかっちゃいますって！気をつけてください」


変装を解いたラフな姿でソファの背もたれに腕を置いて、コーヒーを飲んでいる降谷さんを見る。
パソコンと資料があるのはいつものことだ。

顔色は…特に変わってないな?
なんだ、やっぱり潜入捜査か。本当だったら怒りだの焦りだの、なんかしら表情筋動くし。


「私も見たかったな〜。美人さん? かわいい子ちゃん?」

「…」

「ていうか降谷さんってどんな人がタイプなんですか。ベル姉にしろそのカノジョにしろ、周りに顔面偏差値カンストがいるのに靡かないって」

「…」

「…降谷さんだったら選びたい放題なのに、何で恋人作らないんだか」


フル無視をかます降谷さんにため息をついて、ぼふっとソファに横になる。

恋人できないは有り得ない。性格は冷酷かもしれないけどスペックがそこらへんの男よりもハイレベルなんだ。

日本を守るためとは言え、もったいないだろう。


すると、急に影が私を見下ろしてきた。
金髪顔面整いと目が合う。

なんだこの人。


「そろそろ君の減らず口に我慢ならないから言わせてもらうが、」

「え、はい」

「僕が恋人を作らないのは作る気がないからでも選ばないからでもない。…好いている本人が、何も気づいてないからだ」

「…? はあ…?」

「…鈍すぎて笑えてくるな」

「何を──んっ…!?」


は…?

唇の柔らかい感触と、視界いっぱいに広がる褐色肌。



……キス?



小さなリップ音が部屋に響いて、それと同時に降谷さんの顔が遠ざかっていく。

頭が真っ白で働かない。何が、何を…降谷さんが、私にキスをした?


「あんた何してんの、…何してんの何してんの！」

「僕はお前の上司だが」

「そう…じゃなくて！なんで、私に……私のこと、好きなんですか……?」

「好きだ。どうしようもないくらいに」

「……? ……??」


ダメだ、理解が追いつかなくてぶっ倒れそう。






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