【名探偵コナン】隠れてる子の話。IV

175. 嫉妬・2 ページ25

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「そんなに悩むなら早く告っちゃえよ」

「…椿といい、お前といい。無茶なこと言うなよ」

「無茶なんてあるもんか。別に結ばれなくてもいいんだったら告ってスッキリした方がいいだろ?」

「スッキリしないから困るんだ」


バーボンを口にして、眉を寄せた。

景は自分への好意に気づかないくせに他人が他人に向ける好意だけは勘づくのが早い。
あっという間に見破られてしまった。

そもそも景が椿の想いに気づいていたらこんな事にはなっていないんだ。全部景のせいだ。


「何だよ、その目は」

「…別に」


そうやって、椿と同じことを言うのも嫉妬する。

…ダメだな最近。疲れてる。
こんな感情に振り回されてる暇はないんだけどな。


「でも俺らいつ死ぬか分からないんだしさ。照れてないで、告える時に告っとかないと」

「…アイツの事だ。動揺させるような事すれば仕事にも支障を及ぼす。それで死んだら元も子もないだろ」

「…ま、それもそうか。さすが上司。部下のこと分かってるねえ」

「茶化すな」


アイツがやりそうな事だ。動揺させる事もできるか分からないが。
何だかんだ仕事はこなしてるし、相手の懐に入るのも上手いやつだからな…。

ジンもベルモットも、おかしいくらい心を落ち着かせているようだし。

…一種の才能。それで済ませていいものかと思うが。


( …でも、いつ死ぬか分からない…か )

椿にも想いを伝えるよう言った方がいいかもな。
僕が気づいていることに気づいているのかも分からないけれど。


「なあ、景」

「ん?」

「…お前、死んでくれるなよ」

「はあ? 何だ零。俺が死ぬわけないだろ」


口角を上げ、目を細くした景と目が合う。





「俺はまたアイツらと会うまで死なねーって決めてんだ！」






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