犬の日 ページ12
*
最近付きまとわれてる気がする。
ストーカーとかじゃなくて。
分からないけど、、、怖い。
いつものようにスーパーによってエレベーターに乗り、
８階のボタンを押す。
「あの。」
先にエレベーターに乗ってたボブの女の子が話しかけてくる。
『⋯はい？』
私に近づいて、こう呟いてきた。
''私の康二くんに近づかないで''
私が康二くんと出会って、
康二くんと付き合って、
康二くんと同棲してから
１番恐れていたことが起きてしまった。
私の手が震え出す。
落としたスーパーの袋を拾おうと頑張るけど、
震えてる手が止まらない。
「私が怖いなら別れて。」
『っ⋯⋯』
康二くんのファンの子？？？
康二くんのなに？？
「聞こえてるでしょ？ はい って答えればいいだけなのに」
と笑う女。
「私、康二くんの苦しんでる姿大好きなんだよね⋯。(笑)」
その瞬間思い出す。
''俺なんかさ、ストーカー？されてるんよね''
''ロングの子で背は小さめの子なんやけど⋯''
''最近もう見かけんくなったし！何より引っ越したしな！''
''大丈夫やで''
そう笑ったこーちゃん。
『こ、康二くんからっ、、離れてっ、、』
精一杯の声を出す。
もちろん声は震えていて、目を合わせることが出来ない。
「⋯⋯これ。読んでね。」
そう言って５階に降りてしまった。
もちろん、家に帰っても放心状態で⋯
スーパーで買ってきたものが袋から転がり落ちていた。
さっき渡された封筒を開けてみる。
そこにはこーちゃんと私が、楽しそうに手を繋いで歩いてる写真や一緒にエレベーターに乗ってる姿、車に乗り込むところ
色々な写真が入っていた。
そして、1枚の紙切れ。
''この写真、週刊誌に送ったらどうなるかな？
どうすればいいかは、分かるよね？''
と。
私は恐怖と不安。
こーちゃんが苦しんでしまう。
その思いで、押しつぶされそうだった。
*
向「ただいまやで〜」
あれから数時間後。
何も手につかなくて、何も出来なくて、ただ、
こーちゃんが撮ってくれた写真を見返してた。
向「⋯Aちゃん？何してん？」
私の異変に気がついたのか駆け寄ってくる。
『あ、おかえり。(笑)』
私なりの笑顔。
どうか、神様。
こーちゃんとあこ子を会わせない出ください。
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作者名：むーか | 作成日時：2024年2月27日 17時
