もっと頼ってほしかった 〜２〜

あなた ページ48

Aside









新しい抗がん剤は予想していたものよりも何倍もはるかにしんどかった









「痛っ」









私は副作用のせいで口内炎がたくさんできて水を飲むことさえも難しくなった









吐き気も前よりも強くなった









でも、出てくるのは胃液ばっかりでそれがまた口内炎にしみて……









だから私はできるだけ吐かないようにしようと決めた









だけど、そんな考えは通用しなかった









慧「我慢しないで全部吐こうよ。」








「いやだ」









慧「口内炎がしみるのは分かるけど我慢しないで吐こうね」









「嫌だ、ｳｯ」









慧「ほら、吐きそうになってるじゃん。もう……」









すると慧にぃは何か決めた様子で病室をでてどこかに行ってしまった









５分ぐらいして帰ってきた慧にぃの手にはゴム手袋









慧「A口開けて」









「ねぇ、何するの？」









慧「口内炎診させて」









「診るだけだよ！」









慧「ほら、早く開けて」









そして私はゆっくりと口を開けた









口を開けた瞬間慧にぃの手が口の中に入ってきた









そして慧にぃは私の舌の奥の方を指で押した









「ｳｯオエッ」









そして我慢していたものを入ってしまった









慧「我慢しないで全部吐こうな」









一度吐くと止まらなくてすべて吐いてしまった









慧「全部吐けた？」









「慧にぃのバカ！なんで嘘ついたの！」








慧「あぁでもしないとずっと我慢したままだったでしょ」









「だって口内炎が痛いんだもん！もう慧にぃのことは信じないもん！」









慧「ちょっとそれは酷いよ〜。慧にぃ傷つくんですけどー」









この時はまだ喋る余裕もあった









本当の闘いはこれからだった

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