愛の結晶２ (ページ22)

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第７１話：狡いページ22

言われた通り洗面所から出る。Aは両手で顔全体を覆いながらベッドの上に座っていた。そんな彼女の隣に腰掛ける。

グルーシャ
「いい加減、元気だしなよ。」

A
「・・・ねぇ、グルーシャ。」

グルーシャ
「何？」

A
「本当のことを話して・・・。じゃないと、私の気が済まない・・・。」

グルーシャ
「はぁ・・・分かったよ。」

中々折れない彼女に観念し、重たい口をゆっくりと開く。

グルーシャ
「昨日の晩、中々寝付けなくて困っていた時・・・あんたが急に、背後から僕のことを抱きしめてきたんだ。」

A
「・・・へ？」

グルーシャ
「・・・あんたは、運が良いよ。僕の理性が飛ばずにすんだからね。これがもし、他の男だったなら・・・どうなるか分かってるよね？」

A
「うぅ、ごめんなさい・・・。でも、今朝のは・・・狡いよ！」

グルーシャ
「ふふ、あんたの可愛い顔が見れたから・・・僕は、満足だけだね。」

A
「なっ・・・！？」

Aの頬が熟れた果実のように真っ赤に染まり、僕の顔を見たまま硬直する。こんな時間がずっと続けば良いと思っていたが、パルデア地方に帰国しない訳にもいかない。

グルーシャ
「出発まで時間は少しある。朝食食べに行くよ。」

A
「・・・」

返事の代わりに小さく頷く。